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【ついに判決確定】《太宰府事件 法廷ルポ》「この人殺し!!」 赤いウィンドブレーカーの“女帝”に浴びせられた悲痛な叫び「ヤクザでもやらない。あの人は楽しんでた」

【ついに判決確定】《太宰府事件 法廷ルポ》「この人殺し!!」 赤いウィンドブレーカーの“女帝”に浴びせられた悲痛な叫び「ヤクザでもやらない。あの人は楽しんでた」

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 その残酷な犯行が社会の注目を浴びた「太宰府主婦ホスト漬け傷害致死事件」。12月18日付けで、犯行の中心人物である“太宰府の女帝”山物美幸被告と、元交際相手の岸颯被告の判決が確定した。

 山本被告は懲役22年、岸被告は懲役15年(別の恐喝罪で懲役6月も確定)。

 2人は被告らは1審の判決を不服として控訴審が行われていたが、最高裁に上告することはなかった。控訴審ではどのようなやりとりが行われたのだろうか。当時の記事を再公開する。

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(初出2021年12月10日、肩書き、年齢等は当時のまま)

◆◆◆

 2019年9月下旬~10月20日ごろ、福岡県太宰府市で主婦・高畑瑠美さん(当時36)が太ももをナイフや割り箸で刺され、20日午前4時50分ごろまでに外傷性ショックで死亡した「太宰府“主婦ホスト漬け”傷害致死事件」。

 12月3日、福岡高裁で山本美幸被告(42)と、元恋人で共犯者の岸颯被告(26)の控訴審判決が行われた。高裁は、両被告をそれぞれ懲役22年、懲役15年とした1審福岡地裁判決を支持し、両被告と検察側のいずれの控訴も棄却した。

 両被告はこれまで、それぞれに罪をなすりつけあって無罪を主張してきた。犯した罪の残忍さを思うと、その態度はあまりに無責任なものだった。

福岡高裁

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カモの金で豪遊し、限界まで取り尽くす

 主犯ともいえる山本被告は長年、福岡県・中洲の繁華街で“女帝”さながらに取り巻きを連れて豪遊していた。そしてその資金源は、瑠美さんを含めた複数の被害者を精神的、肉体的に抑圧しマインドコントロールしてむしり取ったカネだ。

 瑠美さんの死亡前、家族は佐賀県警に何度も相談していたが、具体的な対応が取られることはなかった。警察が対応せぬまま、瑠美さんへの暴行や精神的抑圧は、時を経るほどに苛烈を極めた。事件が発覚すると警察への批判も高まり、大きな社会問題になった。

 文春オンライン取材班は、瑠美さんの遺体を乗せていた車に同乗していた、山本被告の知人男性Xさんにインタビュー取材をしている。Xさんは一度は死体遺棄容疑で福岡県警に逮捕されながら、暴行に関与していないことなどから不起訴となった。

 しかし彼は山本被告らと親しくしていたため、これまでの悪行を詳しく知っていた。Xさんはこう証言している。

「みゆ(山本被告)の傍らには、長年、常に訳ありの女性がいました。おそらく彼女らから金を引っ張っていたんだと思います。カモを見つけてはその金で豪遊し、限界まで取り尽くすと、金がなくなって遊べなくなる、ということの繰り返しだったんじゃないですかね。

山本美幸被告(左)と高畑瑠美さん

 みゆの傍らにいるのは、ホストへの借金でとんで、風俗で稼いでいるような子が多かった。みゆは家族に風俗のことを言うぞとか脅したりして、恐喝していました。それで何回もうまくいっていたから、味を占め、エスカレートしたのが今回の事件なんだと思います」

 山本被告らが犯行を重ねた果てに瑠美さんが犠牲になり、ようやくその犯行が白日の下にさらされたのだ。

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