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「“何の役です?”と聞いたら“次元です”と…」大塚明夫が明かす《次元大介役バトンタッチ》の舞台裏

『ルパン三世 PART6』大塚明夫さんインタビュー

2021/12/28
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 アニメ化50周年を迎えた『ルパン三世』の最新作『PART6』。放映前に50年にわたって次元大介役を演じてきた声優・小林清志が勇退。2代目として「攻殻機動隊」シリーズのバトー役などで知られる大塚明夫が演じることとなった。この歴史的な交代劇を、2代目次元に直撃した。

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次元は“カッコいい”の権化

――放送中の『ルパン三世 PART6』で、次元大介役を小林清志さんからバトンタッチされましたが、その経緯をうかがえますか。

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「僕が指名された経緯はわかりませんが、僕が次元を演じるのを知ったのは突然のことだったんですよ。事務所から“今度『ルパン三世』の収録があります”と伝えられて“わかりました。ところで何の役です?”と聞いたら“次元です”と返ってきて“ええっ!?”と(笑)。ただ、僕は子どもの頃から、清志さんが演じる次元大介の大ファンなんです。つまり、僕にとっては、次元は特別なもので、清志さんこそが次元だと思っているんです。僕自身が“次元は清志さんでなくちゃ”と考えている人間なので、複雑な気持ちでした」

大塚明夫さん

――子どもの頃からというと、いつからご覧に?

「テレビシリーズの最初、PART1からです。特に1作目はちょっと大人の世界を見せてくれるような魅力にあふれていましてね。ちょうど僕は小学5~6年生で、いちばん背伸びしたい年頃じゃないですか(笑)。それはそれは、夢中になって観ていました」

――PART1で石川五ェ門の声を演じられていたのは、お父さまである大塚周夫さんでした。

「そうですね。でも僕は“五ェ門より次元のほうがカッコいいな”と思っていたんですけど(笑)」

『ルパン三世 PART6』より(原作:モンキー・パンチ ©TMS・NTV)

――次元のカッコよさに惹かれたわけですね。

「ええ、究極のダンディズムというか、まさに固ゆで卵です。襟がボタンダウンだったりするので、厳密にはハードボイルドエッグではないんでしょうが、在り方そのものがハードな男……もう、“カッコいい”の権化ですよ」