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高校2年生男子の「14人に1人」が望まないセックスを強いられた経験あり…“男性のレイプ被害者”が泣き寝入りを選んだ“意外な理由”

『RESPECT 男の子が知っておきたいセックスのすべて』より #2

note

男性も性的暴行に遭う可能性がある

 誰かがきみのチンコに触れると、興奮していなくても勃起することがある。つまり、自分の意思に反していても、男性のチンコは勃起が可能なんだ。それに、望んでいないことをされたとき、気持ちよく感じてしまう場合もある。男性は、自分がなにかを強いられていることに気づきにくいことがある。本当はしたくなかったのに、結局は勃起もして、快感を得てしまうからなんだ。

 性的暴行の対象は女子のほうが多いが、男子にも起こりうる。高校2年生に聞いたところ、8人に1人の男子が望んでいないのにからだに触れられた経験があると答えた。また、14人に1人の男子は、意思に反して、挿入を伴うセックスを強いられた経験がある。

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 ぼくの知人にラースというヤツがいる。彼はある日、セックスしたいと思う相手を連れて家に帰った。でも、アパートに着くと、雰囲気が暴力的にガラリと変わり、ラースはレイプされてしまった。のちにラースは、男がレイプされるなんて、わかってもらえないだろうと思ったそうだ。

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「男に対するイメージとはかけ離れているんだろう。メディアじゃ、男ってのは危険でレイプをする生き物だって言われている。でも逆に、男がレイプされた話を耳にすることはない。だから、男がレイプされたときにはそれが自分のせいだと思ってしまう。でもレイプされた人には決して落ち度はない」

 ラースは警察に通報しなかった。男性がレイプ被害を報告することはめったにないから、どれぐらいの人が同じような経験をしているか把握しにくい。

 もし、セックスを無理強いされたことがあるのなら、大人になってからであろうと子どものときであろうと、そして恐怖を感じたか感じなかったかにかかわらず、なにが起きたのか、信頼している人に聞いてもらおう。辛い体験はひとりで抱え込まないほうがいいんだ。