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時代劇専門チャンネルのオリジナル時代劇「殺すな」 いよいよ劇場上映・テレビ初放送!

中村梅雀、柄本佑、安藤サクラ 豪華俳優陣が語る時代劇の魅力

PR提供: 日本映画放送「時代劇専門」チャンネル

 時代小説の名手・藤沢周平が描く男と女の愛憎劇、珠玉の短篇「殺すな」(新潮文庫/実業之日本社『橋ものがたり』所収)を名匠・井上昭監督が豪華キャストで映像化した。封印した過去をもつ浪人を演じるのはベテラン中村梅雀。そして、世間の目を避けるように裏店に暮らす若い男女を柄本佑と安藤サクラが演じる。三人それぞれの思いを乗せて、運命の小舟は流されていく。その流れの先に待ち受けていたものとは・・・・。

 文春オンラインでは劇場上映・テレビ初放送に先だって、「殺すな」に出演した俳優陣のスペシャルトークを3週にわたって掲載する。第2回は、愛憎の狭間で揺れ動く若き船頭・吉蔵を演じた柄本佑。名匠・井上昭監督が手がけた時代劇「殺すな」の魅力を語ってくれた。

第2回
柄本 佑 俳優
ひとつのテーマを掘り下げて、シンプルだけど、
すごい熱量を感じさせる作品になっています。


えもと・たすく 1986年、東京都生まれ。2003年、映画『美しい夏キリシマ』で俳優デビュー。以降、数々の映画、ドラマに出演している。18年の映画『きみの鳥はうたえる』では、キネマ旬報ベスト・テンならびに毎日映画コンクールの主演男優賞を受賞。さらに、同年の映画『素敵なダイナマイトスキャンダル』では、日本映画批評家大賞の主演男優賞に輝いた。

――柄本さんが井上昭監督のオリジナル時代劇に出演されるのは、2015年の「遅いしあわせ」以来ですね。

柄本 そうなんです。今回、井上監督が「またやろう」と声をかけてくださったのがうれしくて、これは絶対にやらなければいけない仕事だと思ったんです。もう一度呼ばれるというのは、ハードルが数段上がるわけですよ。ですから、撮影初日はものすごく緊張しましたね。

――井上監督の演技指導というのは、どんな感じなんでしょう?

柄本 監督は、基本的に「あれやって、これやって」とはおっしゃらないんです。よく言われるのは、「言いたくないセリフがあったら、言わなくていいよ」ということだけ。昭さんは説明を嫌う方なんです。セリフでちょっと説明っぽいところがあると、「これはもう言わんでええ」とか(笑)。「あとは佑くんのやりたいようにやって」と。これって、ある意味すごい演出なんですよ。俺が見てて、よかったらオッケーを出すから、何でもやってみろ、というわけですからね。

――それは緊張しますよね。

柄本 テストをやって、監督と役者の目があったときに、役者が「ううん」と首を振れば、もう一回。「うん」とうなずけば、次は本番。監督と役者の関係性というのは、それが理想のかたちだと、監督はおっしゃっていましたね。昭さんはすごく懐が深くて、優しい方なので、役者さんたちが生き生きと演じることができる“場所”を与えてくれている。そんな印象です。

――俳優さんに全幅の信頼を置くということですね。

柄本 監督は93歳。誰よりも年上ですが、誰よりもソリッドで、誰よりも挑戦的。いちばん攻めてくるんです。そんな昭さんの前で、守りの芝居をするわけにはいかない。思いっきり下手でもいいから、今の自分を出すのがいちばんなんです。吉蔵のセリフは台本にしっかり書かれているし、現場の撮影班、照明班も、みなさん作品の世界観をきちっとつくってくれるプロフェッショナルばかり。僕はそのなかに飛び込んでいくつもりでやりました。

――中村梅雀さんとは初共演だったわけですが、いかがでしたか?

柄本 作品の中での梅雀さんは、常に相手の話に耳を傾け、受け身に徹する役柄なんです。実際、撮影に際しても、僕のセリフや演技をおおらかに受け止めてくださいました。ですから、その胸を借りるという感じで、自分なりにいろいろチャレンジすることができたんです。それと、時代劇ならではの所作、たとえばキセルの持ち方ひとつにしても、職業によって違うんですよね。そういうのも梅雀さんにいろいろ教えていただきました。時代劇のキャリアが違うから、勉強になるんです。衣装の粋な着方とか、梅雀さんを見ていると、ほんとカッコいいなぁと思いますね。

――「殺すな」では、奥様の安藤サクラさんとの共演も話題になっていますが・・・・。

柄本 緊張するかなと思いきや、二人とも意外とすんなり現場に入れました。というのも、常に真ん中に井上監督がいらっしゃるからなんです。現場は「昭さんファースト」(笑)。スタッフ全員が昭さんに喜んでもらいたい、その一心で動いている。で、準備が整って、監督が「よーい、スタート!」ってかけると、ほんとにその世界が動き出すんです。初めてそれを観たときはびっくりしました。そういう現場だからこそ、僕たちも自然と溶け込めたんだと思います。なにしろ、溝口健二監督の助監督をやっておられた方ですからね。今回、中村玉緒さんが特別出演されているんですが、玉緒さんと昭さんが話していると、出てくる名前が「雷蔵ちゃん(市川雷蔵)」とか「かっちゃん(勝新太郎)」とか、そういう人ばっかり。なんだかもうレジェンドすぎて、ちょっとよくわからない。俺、タイムスリップしちゃったかなという感じでしたよ(笑)。

――柄本さんはもともと時代劇がお好きだったとか。

柄本 小学生のときに「座頭市」を観て、カツシンってなんてカッコいいんだろうと。カツシンをこれだけカッコよく撮る映画監督は、たぶんカツシンよりもっとカッコいいんだろうなと思って、そこから映画への憧れ、映画監督への憧れみたいなのが生まれたんです。僕にとって、時代劇というのは憧れであり、特別な存在なんです。プロの技術が凝縮されているのが時代劇だったりするわけじゃないですか。温故知新じゃないけれど、そこには何か新しいものが詰まっているような気がしています。今回の「殺すな」は、しっとりとした世話物。チャンチャンバラバラみたいな派手さはないけれど、ひとつのテーマを掘り下げていく、熱量のこもった作品に仕上がっています。そういう厚みのある時代劇を、劇場とテレビでほぼ同時に見られる。そういう機会が増えるのはすごくいいことだと思います。


井上昭監督が1月9日にお亡くなりになりました。心よりご冥福をお祈り致します。

*第3回のゲストは安藤サクラさんです(1月22日公開予定)。
*第1回のゲスト、中村梅雀さんのインタビュー記事はこちら
 https://bunshun.jp/articles/-/50694

Information

©「殺すな」時代劇パートナーズ
©「殺すな」時代劇パートナーズ

時代劇専門チャンネルを運営する日本映画放送株式会社が時代劇パートナーズとともに制作したオリジナル時代劇最新作「殺すな」。作品は1月28日(金)から全国のイオンシネマ89館で劇場上映、さらに2月1日(火)には時代劇専門チャンネルでTV初放送される。劇場上映とテレビ放送ほぼ同時展開は史上初!
時代劇専門チャンネル「殺すな」公式サイト
https://www.jidaigeki.com/korosuna/