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予備知識ゼロの『劇場版 呪術廻戦 0』レビュー|『呪術』は1時間45分の「放課後」である

2022/01/16

source : 提携メディア

genre : エンタメ, 映画, テレビ・ラジオ, 娯楽

 

2021年12月24日に封切られた映画『劇場版 呪術廻戦 0』。『週刊少年ジャンプ』で連載され、テレビアニメの放送をきっかけにブームになったという類似点から『鬼滅の刃』と比較されることも多い同作。

ここでは、公開から15日で観客動員490万人を突破した『劇場版 呪術廻戦 0』を、アニメでもマンガでも『呪術廻戦』に触れたことがなかった映画批評家の相田冬二が、予備知識ゼロでレビューする。

「私にとって『呪術』は、ずっとこの情緒が継続している1時間45分の物語=放課後であった」と評するに至った経緯とは──。

※この記事は『劇場版 呪術廻戦 0』のネタバレを含んでいますのでご注意ください。

「大丈夫じゃないですか。エピソード0なんだし」

大学生や大学院生の知り合いが何人かいて、彼らは私にとって「若者たち」ということになるのだが、当然のように全員『呪術廻戦』を読んだり観たりしている。で、みんな言うのだ。

「『鬼滅』もおもしろいけど、『呪術廻戦』はめちゃめちゃおもしろいですよ」

1年ほど前、予備知識ゼロで『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』を観て文章を書いたが、とても楽しかった。なので、彼らに「『呪術廻戦』も予備知識ゼロで映画観ても大丈夫かな?」と聞いてみた。

「大丈夫じゃないですか。エピソード0なんだし」

まだ映画が公開される前のことである。

なるほど。エピソードもゼロなら、私の予備知識もゼロ。0×0=0。納得して、映画館に行って観た。

おもしろかった。

映画が終わって、お手洗いに行くと、小学生たちが熱く語り合っている場面に遭遇、その光景もめちゃくちゃおもしろかった。

 

『鬼滅』が「授業」だとするならば……

『劇場版 呪術廻戦 0』予告

第一印象。

そうか、学園ドラマだったのか。

なにせ、知識がゼロなので、とっかかりが皆無である。なので、あえて比較対象として召喚するが、『鬼滅の刃』(劇場版しか観ていないが)が正統派の「授業」だとするならば、『呪術廻戦』は「放課後」、あるいは「部活」である。