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2人の登場が日本のフィギュアスケートを変えた

荒川さんの金、浅田さんのシニアデビューは当時のフィギュアスケートの2つの状況を変えました。

ひとつはスポンサーの獲得。彼女らの活躍によって、フィギュアスケート選手にもスポンサーがつくようになったのです。フィギュアスケートは海外の試合への遠征、指導を受ける費用など、莫大なお金がかかる競技。スポンサーがつくことによって有望選手が競技そのものを継続できるようになりました。また、それだけではなく世界の指導者から一流の指導を受けに行くこともできるようになりました。

例えば、浅田真央さんは、現在ネイサン・チェンのコーチをしているラファエル・アルトゥニアン、ロシアの指導の第一人者であるタチアナ・タラソワ、世界的な振付師のローリー・ニコルなどの一流の方々から一流のテクニックを、世界を飛び回りながら教わっています。彼女の才能やセンスは素晴らしいものでしたが、それを花開かせるのはこうして下地を作ることができたからではないでしょうか。

もうひとつの変化は、荒川さんや浅田さんに憧れて「スケートをやってみたい」とスケートリンクに立ち寄る子どもが圧倒的に増えたことです。本来ならば、サッカーや野球、水泳など他のスポーツを始めていたであろう子どもたちがフィギュアスケートを習い始めたことで、身体的能力が高く、スケートの資質がある子どもを集め、有力選手に育て上げることが可能になりました。

スポンサーの獲得、そして、有望な子どもたちがスケートを始めたこと。これらが荒川静香、浅田真央に次ぐ日本のスター発掘につながり、日本をフィギュアスケート大国に押し上げたのです。

「欧米との文化の壁」を壊したコンテンツの平等性

また、先ほどお話した、「欧米との文化の壁」が低くなってきたことも、日本がフィギュアスケート大国に成長したひとつの理由でしょう。インターネットや電子機器の発達により、世界の人々が同じ文化にアクセスしやすくなり、世界中で同じコンテンツが流行するという状況が当たり前になっています。フィギュアスケートでも伝統的なクラシック音楽だけでなく、映画音楽など、世界中で流行っている選曲が増え、表現できる世界観の幅も広がりました。

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