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私はJPモルガン勤務時代、仕事の関係で数多くの世界の大金持ちと知り合ったが、日本の金持ちとはスケールが違った。もし世界の大金持ちと同じような生活を送れば、日本ではすぐに週刊誌のネタになってしまうと思う。

日経新聞「ファストリ、中途人材に年収最大10億円 IT大手と競う」(1月16日朝刊)では、「デロイトトーマツグループの20年度の調査によれば、日本の最高経営責任者(CEO)の報酬総額の平均は1億2千万円。米国は15億8千万円で、日米の格差は前年の12倍から13倍に拡大した。欧州でも英国のCEOは3億3千万円の年収がある」とある。平均が15億8千万円ということは、億単位の年収の人が米国にはごろごろいるのだ。

米国の若者は会社経営者の大きく立派な家を見て「自分も」と夢を持つ。大リーガーやプロバスケットボール選手、プロアメリカンフットボール選手たちのぜいたくな生活を見て「自分も」と思うのだ。夢がかなう確率は低くても夢が持てるというのは大事なこと。戦後の日本人が生き生きしていたのと同じだ。

要するに、日本にいるのは絶対的な大金持ちではない。ジニ係数で言うところの相対的なお金持ちだけだ(世界から見れば小金持ち程度だろう)。大リーガーと日本のプロ野球手の年棒、日米社長の年棒などを比較すれば、容易に想像できる。

彼らのような「小金持ち」から搾り取って、この国の閉塞感が改善されるとは思はない。

日経新聞「明日は見えますか 格差克服『社会エレベーター』動かせ」(1月5日朝刊)で「日本の問題は平等主義がもたらす弊害だ。突出した能力を持つ人材を育てる機運に乏しく、一方で落ちこぼれる人たちを底上げする支援策も十分でない。自分が成長し暮らしが好転する希望が持てなければ格差を乗り越える意欲はしぼむ」との記述がある。

まさに若者に夢が持てる社会が必要なのだ。結果平等では、夢は育たない。

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