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富裕層には所得税、相続税が重くのしかかっている

日本では、長い出世競争に打ち勝って、やっとたどり着いたCEO職で平均年棒が1億2000万円程度。厳しい累進課税の税金を払った後では郊外に小さな家しか建てられない。そんな住宅環境、生活環境を見ても、日本の若者は夢など持てないだろう。

ましてや日本は格差是正の名目で所得税の累進は厳しいし、相続税は重税化している。配偶者と子供2人で4800万円の基礎控除しかない。

先進国の中で、そんな国は日本くらいではなかろうか? 世界は相続税の軽減化の方向だ。国会で質問した時、米国では重税化しているとの答弁を得たことがあるが、無税だった相続税が復活したものの相続人は1人約10億円の基礎控除がある(毎年インフレ率で変わる)。両親から相続すれば約20億円の控除だ。

日本を引っ張るリーダーたちのエネルギーや時間、興味は、相続税節約という後ろ向きの論点に向かっている。残念でならない。欧米の高所得者層はどこに投資したらリターンがいいかを議論しているのとは対照的だ。これは、これから伸びる産業(=リターンの高い産業)に資金が集まることで、国が一層発展することにもつながる。

日本の富裕層を攻撃しても貧しくなるだけ

このように「小金持ち」しかいない日本で、中間層が没落して生じた格差の是正策として小金持ちを引きずり下ろせばどうなるのか? 日本から国外に逃れるかもしれない。そうすれば私が子供の頃のように皆が平等に貧しくなるだけだ。

しかも当時と違い夢や希望が無くなっているのだから社会の輝きは失われ、ますます国力は落ちていくことだろう。

日本プロ野球の一流選手をすべて大リーグに追いやれば、日本には二流選手ばかりが残る。年棒のばらつきは無くなるので選手は平等になるが、平均年棒はガクンと落ちる。プロ野球は面白みが欠け、産業として衰退し選手の所得は減る悪循環に陥るだろう。

没落していった中間層を再度引き上げるためにはパイを大きくすることだ。パイの分配の仕方だけを考えていては、パイはさらに縮小し、1人当たりの受け取る絶対量は減少する。パイを大きくするためには、結果平等と対極にある競争が不可欠だ。

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