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宮内庁では皇室を導けない

御厨 もう一つ考えなければならないのは、眞子さまの一件のようになにか問題が起きたとき、きちんと対処する機構や仕組みが作られていないこと。宮内庁があるじゃないかと言われるかもしれませんが、彼らはいわば、官僚人事によって自動的にやって来たにすぎません。なんらかの考えを持って「天皇制をこう維持していくのだ」と、皇室を導く機関ではないんです。眞子さまの問題は宮内庁長官が対応していますが、すべて後追いです。婚約、トラブル、いろいろと既成事実が出てくれば、なんとか時間を稼ぎながら結局容認していくだけです。

2021年10月26日、記者会見に臨む小室眞子さん ©JMPA

林 東宮教育参与として、いまの上皇さまの教育係を務められた小泉信三先生のように皇族に物申せる方はもういらっしゃらないのですね。ここは御厨先生のような方に皇室のなかに深く入ってもらって、お一人お一人とお話ししていただくほかないのではないでしょうか。

御厨 いやいや、私なんかとても(笑)。でも、そういう立場になる方を積極的に探すのも手です。例えば皇室関連の有識者会議だって、何度もできていますけれども、問題はそこにどういう人を集めるか、ですから。小泉首相の時には幅広く10人の有識者を集めたと思います。ただ、有識者会議もだんだん人数が少なくなっていっちゃって、われわれの会議の時にはもう5、6人でした。まずはそこをもっと強化しないといけない。昔で言うと枢密院や貴族院みたいな感じで、10人か15人ぐらいの賢者を集めた「賢人会議」みたいなものを作るという必要はあるんじゃないでしょうか。

林 なるほど。賢人会議ですね。いろんな仕事をしている方とか、若者に向けて発信をしている方なんかも、その中に入れてほしいです。そうした盤石のバックアップを受けて、皇室にはいつまでも親愛と憧憬を一身に集める存在でいてほしいものです。東日本大震災のときには、当時の天皇陛下が皇居からビデオメッセージというかたちで語りかけてくださいました。あのおことばで私たちが、どれだけ勇気づけられたか。あれからまだ10年しか経っていないのですからね。

李王家の縁談

林 真理子

文藝春秋

2021年11月22日 発売

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