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旧姓併記のパスポートも海外でトラブルになることがあり、外務省も、日本人渡航者が説明に苦慮したり、旅券が本人確認書類と認められなかったりした事例を報告しています。

外務省が、パスポートに旧姓を併記した人に配っているリーフレットには、旧姓の併記は「国際規格に準拠しない例外的な措置である」とはっきり書かれています。そして、パスポートに旧姓が併記してあっても、旧姓で査証(ビザ)や航空券を取得するのは困難と考えられること、旧姓併記について現地の入国管理当局に説明を求められた場合には、渡航者本人が説明しなければならないことなどが明記されています。

高市議員らは、「旧姓併記で不便はない」として、旧姓併記を推進しようとしていますが、既にマイナンバーカードやパスポートで、明らかな不便が生じているわけです。

窓口の職員も「わかりづらくて……」

旧姓の併記は本人に不便を生むだけでなく、行政にも複雑な運用を強いています。

私が、マイナンバーカードに旧姓を併記する手続きをした際、区役所の窓口で担当してくれた職員が「今の制度は、われわれも思うところがありまして……」とつぶやいたことは、とても印象に残っています。

旧姓併記をした後で、やはり併記をやめることにしたり、離婚して旧姓が旧姓でなくなったり、併記する旧姓を別の旧姓に変えようとした時はどうなるのか。資料を基に説明をしてくれた時の一言ですが、担当者本人も「わかりづらくて」と嘆いていました。

2001年に内閣府の男女共同参画会議基本問題専門調査会がまとめた報告によると、住民票、パスポート、国際航空券、運転免許証、健康保険証の運用について、それぞれの所管省庁が「旧姓併記を認めるのは困難」と回答しています。さらに、「旧姓使用を広く浸透させるためには、相当のコスト、労力等を伴う」「行政関係の文書に限っても所管省が多岐にわたっており、足並みをそろえた対応が困難。(旧姓使用を部分的に認めることは、却って他の手続との関係で混乱を生じさせるおそれ)」という指摘も上っていました。

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