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もし、健康診断が本当に効果のあるものなら、女性に比して男性の寿命が延びてもいいものですが、実際の統計はそのようにはなっていません。不思議ですよね。

中高年以降は「足し算医療」にシフトしよう

健康診断で異常値が出ると、医者は「○○を控えましょう」と指導します。つまり現在の生活を変えて、過剰だと思われるものを「引く」ことを求めるわけです。

でも私は、ある程度の年齢になった人は、引いてはいけないと考えています。歳を重ねても若々しく健康的に生きるためには、不足しているものを「足す」ことこそ大切です。

日本では不思議なことに、塩分にしても血糖値にしてもコレステロールにしても、健康診断で基準値オーバーを指摘されることはあっても、あるいはさまざまな栄養素にしてもそうなのですが、「足りないことの害」について語られることはまれです。

でも、私が高齢者を専門として患者さんを診てきた経験では、歳をとれば、足りないより余っているくらいのほうがよい。歳をとればとるほど、いうなれば「引き算医療」よりも「足し算医療」が賢明になるのです。

中高年が考えるべきは、不足している栄養をしっかりとることと、食べても太らない体を取り戻すことです。そして、細胞の炎症を防ぎ、体の酸化を防ぐ。体の機能が正しく働けば、実現可能なことです。

人間は歳をとるほど個人差が大きくなる

2060年には、日本国民の約2.5人に1人が65歳以上の高齢者となることが予測されています。すなわち、これからやってくる人生100年時代は、高齢者がマジョリティ(多数派)になる社会です。

人間という生き物は、子どもから現役世代にかけては、誰もがだいたい一定の幅の中に収まることが多いのです。たとえば普通の公立小学校を見れば、生徒の中で超優等生と超劣等生の間のIQの幅は、80から120くらいです。50m走をすれば、速い子で6~8秒くらい、遅い子でも15秒あればゴールします。若いときには、せいぜいそのくらいの差しかありません。

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