すると、お腹が空いて辛い思いをしているのに全然やせない、という悪循環が起こってしまいます。
中高年でよく「若いころよりずっと食が細っているのに太る」という人がいますが、これは代謝が悪くなっている典型的なケースです。
概して「足りない」ほうが「余っている」よりも体や脳に悪い。しかも歳をとればとるほど、不足したことによる害が出やすい。これは、体の恒常性を乱すようなことが起きたときに、適応の幅が狭くなるからです。
本当に有益なのは「心臓ドック」と「脳ドック」
「健康診断は不要である」と前述しましたが、今後の長寿社会を考えると、準備ができない突然死を避けたい人は「心臓ドック」と「脳ドック」については受ける価値があると考えています。
健康診断は、正常値の範囲から上下どちらかに逸脱していたら「異常」と判断するだけです。人にはそれぞれ個人差というものがあるのに、それを認めずに数値だけで判断しようというシステムです。
しかし心臓ドックと脳ドックについては、その人の状況をきちんと診ます。個人差も考慮したうえでの判断がなされるのです。
心臓ドックで心臓をとりまく冠動脈のどこかに狭窄(きょうさく)が見つかれば、それを広げる処置が受けられます。解離性大動脈瘤(りゅう)などが見つかった場合も、ある程度の処置が期待できます。
※編集部註:初出時、「『健康診断は不要である』と前述しましたが、今後の長寿社会を考えると、『心臓ドック』と『脳ドック』については受ける価値があると考えています。」としていましたが、筆者の意向により「『健康診断は不要である』と前述しましたが、今後の長寿社会を考えると、準備ができない突然死を避けたい人は『心臓ドック』と『脳ドック』については受ける価値があると考えています。」と修正しました。(2月16日19時45分追記)
動脈硬化を見つけることが重要
コレステロール値や血圧が高いのがなぜ悪いのかというと、動脈硬化を進めるからです。