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ただし、その逆が必ずしも真だとはいえません。コレステロール値や血圧を正常値に抑えているからといって、「だから動脈硬化も問題はない」と思い込むのは非常に危険です。数値が正常か異常かに一喜一憂するよりも、冠動脈の狭窄が進んでいないかどうかを実際にチェックすることのほうがよほど大事です。

脳ドックでも、MRIによって脳の血管を見ることができ、ある程度の大きさがあれば動脈瘤を発見することができます。早期に見つけられれば、カテーテルなどを使って予防手技が受けられます。

このように、心臓ドックと脳ドックは有益な検査になりうるものです。

健診の意味は「自分の20年後を予測すること」

私は、健康診断を受ける意味が仮にあるとすれば、それをもとに自分自身の「20年後」の健康状態を予測することだと考えています。

検査でコレステロール値や血圧、血糖値が高いと判断されたのなら、それは動脈硬化のリスクファクター(危険因子)ということになりますが、本当にそれが原因で脳梗塞や心筋梗塞になるのは、だいたいの場合、20年後などかなり先のことだからです。

したがって、もし40代で血圧や血糖値の異常値が出始めたのならば、その検査データを過剰に恐れるのではなく、脳梗塞や心筋梗塞が「20年以内に」起こりかねないという自覚を持ち、そうなる前に脳ドックや心臓ドックを受けるという心構えが大事だということです。

こうした考え方は「20年理論」と呼ばれることがあります。要するに喫煙であれ飲酒であれ、40代のうちはそのリスクが20年後にやってくるという意味で、早い段階から対処をしていきましょう、ということです。

精神衛生上ベターな選択

20年といえば医学の研究が大幅な進歩を遂げるには十分な時間です。ひょっとしたらiPS細胞(人工多能性幹細胞)をフル活用した再生医療が実用化されていて、多少の動脈硬化であればiPS細胞をぱらぱらと動脈にまくだけで、血管が若返って治ってしまうことだってあるかもしれません。

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