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本番に強いと言われる人は、出たとこ勝負が強いのではなく、緊張に負けた経験があるか、しっかりとした緊張のシミュレーションができる人なのかもしれません。

そうは言っても、緊張と向き合うのはとても難しいですね。緊張する理由が分かっても、取り去ることはできません。例えば数学の問題であれば解き方が分かった時に全てから解放されますが、こと緊張に関しては理由が分かっていても緊張は解けません。

では緊張とどう向き合えばいいのでしょうか。私はこう考えるようにしています。

「相手のための緊張に変える」

緊張とは大抵、自分がうまくやれるかどうかが心配で起こるものです。もっと言うと、自分の実力以上のものを披露しようと思っている場合に起こります。

つまり緊張とは自分の内側でのみ起きている現象なのです。緊張している人に対して、どれだけ「大丈夫だよ」と励ましても、緊張を取ってあげられないのはそのためです。そこで私が実践しているのは、自分に向かっていたエネルギーのベクトルを外に向けることです。

自分のための緊張を減らす

例えば、大切なプレゼンがあったとします。スタートは「自分がうまくプレゼンできるか不安」「言い間違えたりしないか不安」といった感情がわいてくると思います。その感情を誰かのための緊張に変えてみるのです。

「この提案はこの会社にとって大きなメリットになるからしっかり伝えたい」
「多くのプレゼンを聞いて疲れているだろうから、要点だけでも伝えたい」

こんな風に視点を変えてみるのです。

緊張の内向きエネルギーも「エネルギー」です。このエネルギーを利用して、誰かの役に立とうとすると不思議と緊張は軽減されていきます。

また、思ったほど緊張が軽減されなかったとしても、それが相手のための緊張ならば、本番では案外まともなパフォーマンスができるのです。

私は、ニュース番組で発音ミスをした際に、その回数を「噛んだ回数」としてカレンダーに記していますが、その原因を分析するとほとんどが自分への緊張なのです。

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