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「このままいけば、今日はノーミスだ」なんて考えた直後に必ず噛みます。ノーミスで終えたいなんて自分のための欲が出る時点でアウトです。人間の器が小さすぎて、恥ずかしくなります。

一方で視聴者に伝わるようにとニュースを読んでいる時は、不思議と噛みません。もちろん、たまに噛んでしまうこともありますが。でも、聞いてくれている人のことを考えて、丁寧に読んだ結果のミスなら自分も納得します。

自分のための緊張を減らすことが、緊張と向き合う上で大切なのです。

緊張を和らげるとっておきの方法

「目の前の聴衆をじゃがいもだと思え」

こんなアドバイスを皆さんも聞いたことがあると思います。これは、他人の視線を気にするなという教えを含んでいるのだと思います。ただ、聴衆を「じゃがいも」と思うことは難しいですし、じゃがいもの前で話すなんてイメージも湧きづらいですね。

実は、私も人前で話すことが苦手でじゃがいも作戦を試してみましたが、それほど効果はありませんでした。何十年アナウンサーをしていても、やっぱり人前で話すのは緊張します。

そんなアナウンサーとしてはやや失格な私が、どのように緊張と向き合ってきたかといいますと、「アウェイ感を減らすこと」に重点を置いています。味方を増やすという言い方でもいいかもしれません。

例えば、講師としてみんなの前で話をしてほしいとお願いされたとします。初めて呼ばれた講演会場は完全アウェイです。こんな時はどうしたらいいでしょうか。

私がいつも行っているのは、まず味方を見つけるということです。その会場には、講演を依頼してくれた人がいるわけですから、少なくとも1人は味方が存在します。

そこで、その人との関係を話に織り込みながら講演会に呼ばれた経緯などを話していくのです。そうすれば聴衆に関係のある人が話に登場しますし、頷いて聞いてくれる人も徐々に増えてきます。

こうして少しずつ味方を増やしていくのです。こんな、自分と聴衆の間にある小さな共通点を成長させていきながら、アウェイ感を減らしていくやり方は、おすすめです。

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