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「二郎インスパイア系」ステーキと評判に

2019年12月1日の日曜日、メインディッシュがコメ、付け合わせが1ポンドステーキというコンセプトの「コメトステーキ」のオープン。当日は、友人、知人、恩人などが100人ほど駆けつけ、てんてこ舞いになった。

國分さんや國分さんの妻も応援に駆けつけてくれたが、片付けが終わったのは夜中の3時。翌日からは、ひとりですべて担わなければならない。飲食店で働いた経験がなきに等しい大曽根にとって「この調子で続けていけるのか……」と不安になる船出だった。

その不安は的中した。12月半ば、コメトステーキに来たお客さんのツイートがバズり、1万を超える「いいね」がついた。その翌日の水曜は定休日で、迎えた木曜日、開店前から長蛇の列ができていた。最後尾に並んでいた人が食べ始めるまでに、なんと3時間かかったという。それから半月ほど同じような状態が続き、「本当に死にそうになりました」。

年が明けてしばらくすると新型コロナウイルスのパンデミックが発生し、多くの飲食店は打撃を受けた。しかし、コメトステーキはそれほど大きな影響はなかったそうだ。ひとりで来て、黙々と食べて帰るというラーメン店のような作りにしたのが功を奏したのである。筆者が取材に行った土曜の夜にも並んでいる人がいたように、3年目の今も盛況が続いている。

「7~8割は常連さんですかね。女性ひとりのお客さんや子供連れのお客さんもいます。週4から週5くる方もいますよ(笑)」

それにしても、である。コメとステーキしかメニューにない店のなにが、そこまでお客さんを惹きつけるのか。ヒントになるのが、コメトステーキを検索すると頻出する「二郎インスパイア系」という言葉だ。

二郎とは、全国に熱狂的なファン「ジロリアン」がいることで知られるラーメン店で、丼に小高い山のように盛られたもやしとキャベツや、一般的なお店の2~3倍近くと言われる麺の量に代表されるボリュームがひとつの特徴だ。

ジロリアンである大曽根はコメトステーキでもボリュームを重視した。メインディッシュのコメは200グラム、1ポンド(450グラム)のステーキに乗せるモヤシは150グラムあり、一食で総重量は800グラム。大盛りにすると、コメ、モヤシともに300グラムになり、総重量は1キロを超える。「ガッツリ食べたい」という満足感を満たすには十分だろう。

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