藤井氏の手に入る退職金は?
「報告書は〈情報漏洩は確認できなかった〉としつつも、〈情報の漏洩を疑わしめ、ひいては、国家安全保障局の情報保全能力に対する疑念を生じせしめた〉と断じている」(前出・幹部)
その他、タクシーチケットの不正利用や顧問先からの飲食代など、約46万円の利益供与も受けている。NSSの女性職員にセクハラメールを送ったり、顧問先に対外非公表の資料を送ったことも発覚。国家公務員法違反のオンパレードだ。
結果、退職金から闇営業代など3400万円が差し引かれ、藤井氏の手に入るのは600万円のみ。公務員制度に詳しい国際基督教大学の西尾隆特任教授が言う。
「こんなに違反項目が多い調査報告は記憶にありません。免職になっていてもおかしくない。ただ停職と違い、免職では退職金が全く支払われない可能性があります。重要ポストの人物を免職にすると、任命責任も問われかねないため、停職に止めたのかもしれません」
朝日記者はその後どうしているのか
では藤井氏の懲戒理由となった不識塾と朝日記者はその後、どうしているのか。
不識塾は当初、小誌の取材に「(藤井氏は)師範ではない」「報酬は単発の講演のみ」と説明。だが報告書で、その嘘がバレてしまった。
代表の中谷氏の携帯にかけると男性が出たが、こちらが名乗ると、「中谷ではない」「近くにいたから出ただけ」としらを切り続けた。やむを得ず塾に聞くと、「守秘義務の関係でお答えできません」。
朝日は、最近の経済安保法案に関する記事にAさんは関わっておらず、2人の関係は「業務外のこと」で、処分等はしていないという。
「彼女は20年に藤井氏がNSS経済班の頃に担当した、コロナの水際対策も報じていたのですが……。Aさんは記事が出た後、会社を休んでいる」(朝日関係者)
藤井氏は周囲に「新しく会社を始める」と話している。今後は“闇”ではなく、“表”で活動するの?