昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

「7月にはマスクを外そう」感染症の専門医が明かす、マスクを外せる3つの条件

#1

マスクを常に着用していると、子どもたちへの大きなリスクが……。浜松医療センターの矢野邦夫医師が警鐘を鳴らす。(「文藝春秋」2022年4月号より、全2回の1回目/後編に続く)

◆ ◆ ◆

人間らしい生活を送りたい

 新型コロナウイルスの世界的なパンデミックが始まってから、2年以上が経過しました。この間、感染対策として、「身体的距離の確保」「3密の回避」などに加えて、すべての人が外出時にはマスクを着用する「ユニバーサル・マスキング」が、当然のようになっています。

 とくに現在は、オミクロン株による「第6波」に襲われている状況ですから、私も医療従事者の一人として、多くの方がマスクの着用をはじめ、感染対策に取り組んでくださっていることに感謝しています。新型コロナに限らず、ただでさえ冬は患者が増える時期です。少しでも感染者が減少することは、医療者サイドには大変にありがたい。

2年以上続くマスク生活 ©共同通信社

 しかし、果たしていつまで、このような暮らしを続けていくことになるのでしょうか。年末年始に忘年会や新年会を開くことも、遠くに住む家族に会いにいくこともできなくなりました。海外はおろか、国内旅行も自由に楽しむことができません。コロナ禍で社会的なつながりを絶たれ、精神的なバランスを崩したというケースも聞きます。

 こんな生活を今後、何十年も続けていくことはできません。誰もが人間らしい生活を送りたいと願っているはずです。

 また、社会的な問題が大きくなっていることも見逃せません。私はワクチン促進派、それも3回接種の賛成派ですが、それと同時に経済重視派でもあります。

 感染対策のみを重視して、経済を度外視してしまえば、他の大きな問題が発生します。飲食業界や旅行業界が苦境に陥っているというニュースは頻繁に耳にしますし、生活苦による自殺者の数も増えています。

 新型コロナウイルスに関する知見が蓄積されて、対応策の目処が見えてきた今、社会的なダメージがこれ以上、深刻なものにならないために、「出口戦略」を検討するべき時期ではないでしょうか。

 私は今年に入ってから、このように唱えています。

「7月にはマスクを外そう」