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同じ病院でも循環器内科とリハビリ科の差は17倍

一方、寄附額が少なかったのが、小児科(763万円)、緩和ケア診療部(745万円)、リハビリテーション科(639万円)などでした。なぜ、同じ東大病院なのに、こんなに格差があるのでしょうか。それは、新薬が多く使われるかどうかで、製薬会社によってお金を支払う価値が異なるからです。薬を使う必要がほとんどないリハビリ科にお金を払っても、あまり意味がありません。

リッチな診療科の多くは、高齢になるほど患者が増える生活習慣病を診ています。

循環器内科や腎臓・内分泌内科は、高血圧薬(降圧薬)やコレステロール低下薬(スタチン)をよく使う診療科です。また、糖尿病・代謝内科は、糖尿病治療薬(血糖降下薬)を使います。高血圧薬は70歳以上の約50%が使っており、コレステロール薬も約30%と非常に多くの人が飲んでいます。

「診療ガイドライン」作成にかかわる医師を狙い撃ち

実は、東京大学医学部(大学院医学系研究科)の教授ともなると、各専門学会の理事長や幹部を務めることが多く、診療ガイドラインの作成にかかわることも少なくありません。とくに、患者のボリュームが大きい高血圧や高コレステロール血症(脂質異常症)、糖尿病といった病気は、その基準値が変わるだけで、薬を飲む人たちの数も大きく変わります。

たとえば、中高年の高血圧の基準(上の収縮期血圧)は、昔は「年齢+90」とされていました。この基準でいくと、50歳なら上が140まで、70歳なら160までは正常範囲内となります。しかし、高血圧の基準値は年々厳しくなり、年齢にかかわらず「上が140まで」となりました。それによって、高血圧の薬を飲む人が増えたのです。

また、製薬会社が期待するのは、従来の安い薬ではなく、薬価の高い新薬を多く使ってもらうことです。高血圧薬の場合、利尿薬やカルシウム拮抗薬などの古くからある安価な薬よりも、ARB(アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬)などの比較的新しく薬価の高い薬を使ってもらったほうが儲けになります。

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