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“若い女”を無駄にしてはいけないと思っていた──ガールズバーで気付いた「女の価値」という苦痛

2022/03/30

source : 提携メディア

genre : ニュース, 社会, 芸能

 

今注目のペイントアーティスト・チョーヒカルのエッセイ集『エイリアンは黙らない』(晶文社)が2022年1月に発売された。

 

本書は、国籍や性別による区別など、社会の不条理さにくじけそうになっても、自分の足で歩いていく覚悟を込めたエッセイ集。チョーヒカルが綴る「成長」と「主張」に多くの反響が寄せられた。

本書の発売を記念して、同書に掲載されているエッセイを特別に公開する。

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とにかく「女の賞味期限」に焦っていたのだ

「女はクリスマスケーキだ」とかいうクソみたいな言葉がある。どういう意味かというと、 女の賞味期限はクリスマスケーキと同じで、24〜25歳だ、という揶揄である。そんなわけはない。けれど私自身、砂糖菓子のサンタが溶けてきているのをどうしても意識してしまう。若さというのは、美醜とは違い、唯一全員に平等に与えられる特権だ。そして私はとうとうそれを手放さなければならなくなっている。年には抗えないし、抗う気もない。ただ、ついに20歳を過ぎると、嫌な疑問が頭をもたげた。

「私は若い女をしっかり満喫しただろうか」。

※画像はイメージです

かわいくないという自覚を持って生きていると、自分が女だということに目を背けがちという側面がある。女らしい行動をとる=女の市場に出ている=他の女と比べられる、ということになるわけです。自分が顔面的に上位でない自覚があるがゆえ、他と比べられるような行動をとりたくなくて「サバサバ女」を自称したり、自ら女らしくない言動をしてしまう。そうやって生きてしまったものだから、もしかして自分が女という価値をドブに投げ捨てちゃってんじゃないかしらと急に不安になる。

特に20歳になって「10代ではなくなった」私は非常に焦っていた。一生で一番求められている時期が今かもしれないんだ。ここから下り坂かもしれないんだ。今自分の価値を試さずして、乱用せずして、どうするんだ! ここで少しでも自分の価値を感じておかなくちゃ、それこそ年をとってから承認欲求が爆発して、ホスト狂いになるかもしれない!