折々のファッションから見える愛子さまのご自覚とは。「文藝春秋」2022年5月号より、皇室ジャーナリストの佐藤あさ子氏による「愛子さま『お召し物ダイアリー』」を全文転載します。(全2回の2回目/前編から続く)
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「そんなことないです」
松本駅の駅前、淡いパープルのワンピースをお召しになった愛子さまは、人々の歓迎に手を振って応えた。8月11日にはご一家でチェックのシャツを着て式典にご臨席。帰りの松本駅前では人々から大きな拍手が送られた。
帰京し、新宿駅に到着したご一家はここでも多くの人々の出迎えを受け、「愛子さま、かわいい!」と大きな歓声が沸いた。エスカレータを上っていかれる際、愛子さまは、少しでも長く人々に応えようと上階の梁の下で身をかがめてお茶目に手を振られるなど、サービス精神たっぷりだった。
ご一家は8月16日から静岡県の須崎御用邸でご静養。20日にいったん帰京され、24日からは栃木県の那須御用邸で静養された。那須塩原の駅頭にも大勢の人が集まったが、一人の女性と愛子さまの間でこんなやり取りがあったという。
「愛子さま、おきれいになられて」
「そんなそんな。そんなことないです」
愛子さまは可愛らしく、照れながら答えておられたという。
「国民の皆さんに喜んでいただきたいという気持ちが芽生え、内親王としての務めを果たそうとされていたと思います。伊勢神宮や神武天皇陵を参拝し、京都御所に出かけられたことを通して、天皇家の歴史や伝統を身をもってお感じになったのだと思います」(前出・宮内庁関係者)
だが、私は那須で気になる話を聞いていた。25日、ご一家は那須ステンドグラス美術館に出かけられた。毎年、ここのカフェを貸し切ってゆっくりお夕食を召し上がるのが恒例だったのだが、当日、急にキャンセルされたというのだ。
愛子さまはお出ましのたびに、だんだんお痩せになっていくように見えた。同時に《やせられてきれいになった》《目がくりくりしてかわいい》など、容姿についての話題が雑誌やネットで繰り返されていた。