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地獄行きのバスに乗るようなもの…高齢者は「大学病院の専門医」をかかりつけ医にしてはいけない

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genre : ライフ, 医療, ライフスタイル

80歳の壁を越えるような長生きをするにはどうすればいいのか。医師の和田秀樹さんは「よい医師を選び、よい付き合いができるかが大きなカギを握る。よい医師を見分けるには、薬について質問してみればいい」という――。

※本稿は、和田秀樹『80歳の壁』(幻冬舎新書)の一部を再編集したものです。

写真=iStock.com/kazuma seki ※写真はイメージです - 写真=iStock.com/kazuma seki

高齢者は専門医の話は聞いてはいけない

今回のコロナ禍で、私は自分の患者さんに対しては、こう言っていました。

「マスコミとか、テレビに出ている医者の言葉を信じて自粛していると、歩けなくなりますよ。ソーシャルディスタンスをとっていれば大丈夫だから、マスクをしてでも散歩をしてくださいね」と。

それでも一部の人は感染を恐れ、外出しなくなりました。薬も家族が取りにきます。その結果、コロナにはかからなくても、足腰が弱ったり、ほかの病気が出てきたり、認知症が進んでしまったりしたのです。

もちろん、私の言うことがすべて正しいとは言いません。また、動物実験ばかりしているような医師の話が、すべて間違いとも言いません。

しかし、やはり高齢者になったら、大学病院の専門医ではなく、地域のいわゆる「町医者」をかかりつけ医にしたほうがいい、と私は思っています。

専門医は、高齢者を診る経験が少なく、高齢者診療の基本がわかっていない可能性があるからです。

年を取るほど「個人差」が大きくなる

高齢者診療の基本は、個人に見合った診療をすることです。とくに70歳・80歳を過ぎた幸齢者の場合は、それが必要です。

年を取るほど、体の状態や身体機能は、個人差が大きくなるからです。たとえば同じ薬を飲んでも、効く人がいる一方で、だるさやふらつき、眠気などの症状が出てしまう人もいるのです。

高齢者診療の基本がわかっていない医師や、患者さんを観察していない医師にとっては、検査の数値が頼りです。薬を処方して正常値にすることが健康だと考えているわけです。このような治療が、体にダメージを与えることは明白です。