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きょうだい児がいない場合、障害者は、両親が亡くなる前に後見人を立てて、財産などの管理をしてもらいながらグループホームに入居するのが一般的だ。一方、きょうだい児がいる場合は、障害の重さによっても選択肢は異なってくるが、これに、「在宅で面倒をみる」「後見人の役割をきょうだい児が担う」という2つの選択肢が追加される。

「両親は成年後見人も検討していますが、第三者に頼むとなると報酬が高額になるのと、私に任せることの是非について迷っていました。私は将来も実家へは帰るつもりはなく、関東で暮らしたいこと、兄の後見人については請け負っても良いが、自分が家庭を持った場合は、成年後見人に関すること以外は、兄にどこまで関われるかは明言できないということを伝えています」

きょうだい児もヤングケアラーも、問題は地続きだ。家族に世話や介助が必要な人員がいれば、そこにリソースが割かれ、家族にゆとりがなくなるのは仕方がないことかもしれない。

だが、佐田さんのような副次的な問題は、家庭の中の大人が想像力を働かせ、タブーを作らないように意識して努めることで、きょうだい児にトラウマを抱えさせることやうつ病にさせてしまうような事態は防げたのではないだろうか。

今や、共働きが当たり前となり、時間的にも金銭的にも余裕のない親が少なくない。介護の必要な老親を抱える家庭も増えている。子供に“お手伝い”の範囲を超えて、介護や子育てをサポートさせている家庭は、「子供らしくいられる時間」や「子供らしくいられる場所」を奪っていないか、子供と一度腹を割って話し合ってみてほしい。

旦木 瑞穂(たんぎ・みずほ)
ライター・グラフィックデザイナー
愛知県出身。印刷会社や広告代理店でグラフィックデザイナー、アートディレクターなどを務め、2015年に独立。グルメ・イベント記事や、葬儀・お墓・介護など終活に関する連載の執筆のほか、パンフレットやガイドブックなどの企画編集、グラフィックデザイン、イラスト制作などを行う。主な執筆媒体は、東洋経済オンライン「子育てと介護 ダブルケアの現実」、毎日新聞出版『サンデー毎日「完璧な終活」』、産経新聞出版『終活読本ソナエ』、日経BP 日経ARIA「今から始める『親』のこと」、朝日新聞出版『AERA.』、鎌倉新書『月刊「仏事」』、高齢者住宅新聞社『エルダリープレス』、インプレス「シニアガイド」など。

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