仕事ばかりの仕事人間ですが、本当は「もうそろそろ辞めなきゃあかんかな」と、ずっと思っているんです。仕事をする限りはきちんとやりたいので、足手まといになったら、辞める覚悟でいます。
社長さんにも「年寄り扱いするなら辞めます」と伝えているから、きちんと働けなくなったら退かなきゃいけない。
勤務を始めて2〜3時間なら、まだ元気があるけれど、4〜5時間すると、えらくなってきます。看護師は、半日は職場にいないと仕事になりません。半日勤務ができなくなったら、辞めるときだなと思います。
退職願いは2~3回書いた
退職願いは、もう2〜3回書きました。そのたびに、社長さんや橋口さん(同じ職場でともに働く80代の看護師)には、「また池田さんが書いてきた」と笑われますが、私は、いつでもその覚悟はできています。
でも、管理者の岡野さんから、「人が足りないので入ってほしい」と言われると、「家にいるのもな」と思って職場に出ていくんです。
私も管理者をしていたから、シフト作りの大変さがわかります。人が足りないと、働いている人が忙しくなってイライラします。それは、働いている人にも入居者さんにもよくないから、人に余裕があるのは大事なことなのです。
来月はそろそろ辞めようかと思っても、「来月は人が足りない」と言われてシフトに入り、その翌月も同じようなことになって、またシフトに入り……を繰り返していたら、9年経っていました。
でも、「今月もまた勤務せなあかんのかな」とぶつぶつ言いながら、喜んで職場に出かけている自分もいます。
やっぱり、仕事が生きがいなんでしょうね。
昼間は仕事、夜は義母の介護…それでも続けてよかった
ありがたいことに2018年、75歳以上の医療関係者(当時)に贈られる「山上の光賞」をいただきました。
この賞は、過去の業績も考慮しますが、現役で活動を継続している人に贈られるそうです。看護師が長く働ける職業であることを示せたのは、うれしいことですね。