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〈カムカム 本日放送〉千吉・段田安則が明かす「セリフをカットした稔と安子とのあのシーン」

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千吉がしゃべり過ぎていたからセリフをカットしたあのシーン

――稔と安子との結婚を認めて、稔を神社にいる安子のところへ連れて行くシーンが印象的でした。

「今回の朝ドラは、明日はどうなるの?という部分を残しながら次の日に繋げていく形が多かったと思います。神社のシーンは、もともとの台本では、千吉がいろいろとしゃべり過ぎていたんです。それで、僕から『このセリフはカットしたほうがいいんじゃないですか?』と演出家の方に言って、『そうですね』と短くなった経緯があります。実際、放映されたのは、僕が言ったセリフよりもっと短くなっていましたね(笑)」

出会った頃の稔さんと安子(写真 NHK提供/総合、月〜土曜午前8時ほか)

――具体的にはどうしゃべり過ぎていたのでしょうか?

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「最初の台本には、『銀行の頭取の娘さんには、何とか(結婚を断ることを)分かってもらった。娘さんのほうも“結婚してすぐ戦争に行くような人は嫌だ”と渋っていた』みたいなセリフが書いてありました。ただ、千吉としては、そのことを稔と安子ちゃんに伝えなくても、もういいんじゃないかと思ったんですね。相手がどうこうではなく、稔自身で安子ちゃんを選んだわけですから」

――次男の勇を演じた村上虹郎さんとのエピソードはありますか?

「松村くんに比べると、村上くんとは一緒のシーンがたくさんありましたね。撮影の合間で、萌音ちゃんや村上くんたちと謎解きをした思い出があります。『川に鯉と鮒が泳いでいて、靴が流れてきました。靴を履いていたのはどっち?』など、いくつか出しました。答えは鮒です。『鯉(恋)は履かない(儚い)から』。誰も正解しなかったんじゃないかなぁ。正解を聞いても、萌音ちゃんが一番ピンと来てなかったかな(笑)」

“勇ちゃん”の優しさは読者からも厚い支持(写真 NHK提供/総合、月〜土曜午前8時ほか)

――妻・美都里を演じたYOUさんとのやり取りはいかがでしたか?

「もう35年くらい前でしょうか、彼女が20歳くらいのとき、『夢の遊眠社』の舞台に出てくれたことがあって。他にも、ドラマを1本2本一緒にやったことがあったので、現場では昔の思い出話とかしていましたね。あと、彼女は『K-POPにすごくハマってるんですよ』みたいな話もしていました。私はK-POPは詳しくないのですが(笑)。ただ、朝ドラみたいに撮影が長いと、家族同士で食事行きましょうか?ということもあるんですけど、コロナ禍で全然そんなこともなくて。あまり撮影所以外で会っていないので、普段より共演者の方と交流する機会は少なくなってしまいましたね」