「キムタクより役者として上」稲垣吾郎の高評価のワケ
稲垣はジャニーズ退所後、そしてコロナ禍にあっても舞台俳優として着実な歩みを続けている。2018、2019、2020年にジャニーズ時代から続いている「No.9ー不滅の旋律ー」。2018、2019年に「君の輝く夜に」、2019年には「LIFE LIFE LIFE~人生の3つのヴァージョン~」、2021年に「サンソンールイ16世の首を刎ねた男ー」、そして今年は「恋のすべて」に出演を予定している。その全てが主演だ。
「元々、吾郎ちゃんはキムタクよりも役者としての評価は上。期待もされていました。1988年に『水戸黄門』などのプロデューサーを務めていた逸見稔氏が手掛けた、『あぶない少年Ⅲ』(テレビ東京系)でドラマデビュー。翌年にはNHK連続テレビ小説『青春家族』に抜てき。1992年には18歳10カ月という男性最年少で月9ドラマ『二十歳の約束』(フジテレビ系)に主演しました。
ナイーブで知的な雰囲気はキムタクより俳優向き。ただ、実際に性格もナイーブなので、キムタクがアッというまにブレイクしたことで思い悩むことが多かったと思います」(アイドル誌記者)
SMAPがアイドルとしてブレイクし、俳優専業といかずにバラエティーでも活躍した稲垣。しかしその持ち味は、やはりジャニーズ正統派の美形キャラ。バラエティー番組に出演していても、どこか吹っ切れていないところがあった。
「2001年に駐車禁止の路上に車を停めて、女性警官に免許証提示を求められた際に、急発進させて逃げようとしたことで逮捕。ジャニーズ事務所のお達しで、マスコミ各社が“稲垣メンバー”と報じたことでいじられるようになって、少し吹っ切れたように感じます。
「Goro's Bar」「金田一耕助」「ほん怖」で独自の存在感を発揮
その後は『Goro's Bar』(TBS系)のオーナー役MCなど、変わり種バラエティーで独自の存在感を発揮してきました。フジテレビ系の『金田一耕助』シリーズでの探偵金田一耕助役や、同局の『ほんとうにあった怖い話』で長らくストーリーテラーを務めるなど、“稲垣吾郎じゃないとダメ”な仕事を積み重ねてきた」(女性誌編集者)
2010年には映画「十三人の刺客」で凶暴な殿様を演じて、高い評価を受けてさまざまな映画賞の助演男優賞を受賞した。三池崇史監督からは「SMAPの中では特殊な存在で屈折した魅力がある」と評されたこともあった。
「稲垣君は『二十歳の約束』で誰より先に注目を浴びたことで、その後に頭角を現したキムタクと常に比較される対象でした。20代前半は、よく『木村君がすごいから』と話していましたよ。それが30代になって、キムタクの存在を気にせずに我が道を行くようになってから磨かれてきた。結局、稲垣君の魅力は“キムタク”という圧倒的な存在に対する、負の魅力なんですよ。
歌って踊ってのジャニーズ舞台ではなく、本格的なストレートプレーのキャリアを積み重ねてきたことで、これからますます光っていくと思います。50歳を前に風貌は渋みをまして、舞台俳優として成熟していくでしょう」(演劇プロデューサー)
プライベートでは新しい地図の中では唯一の独身。“謎のおじさん”ヒロ君との同居などミステリアスな雰囲気も漂わせる稲垣のこれからは万全だ。