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「女子バスケットボール部の“鬼畜動画”をオフ会で鑑賞した」犯行グループの一員が告白する《組織的盗撮犯罪の下劣な実態》とは

組織的盗撮の実態#2

genre : ニュース, 社会

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「被告人(斎藤果林被告)は常習として、山中で露天風呂に入浴中の女性らに対し、望遠レンズを接続させたビデオカメラを向け、撮影した」(起訴状より)

 静岡県警は2021年12月、“盗撮のカリスマ”こと斎藤果林被告(49)を兵庫県迷惑防止条例違反(盗撮)の疑いで逮捕、静岡地検は同月起訴した。

 3月に静岡地裁で行われた初公判では斎藤被告は起訴内容を概ね認め、これまで確認された事実だけでも21年7月に北海道、9月に兵庫県、10月に神奈川県と、被害は全国に及んでいる。また、共犯の古山輝被告(33)も、脱衣所で女児の裸を小型カメラで盗撮し、児童買春・ポルノ禁止法違反(盗撮製造)の罪で起訴されるなど、盗撮グループの卑劣すぎる犯行の全貌は明るみになりつつある。

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「ゴールデンウイークなどの連休ではメンバーで予定を合わせ撮影に出かけることが多い」(元斎藤被告の盗撮グループのメンバーA)

 今年はコロナ禍で行動制限がない初のGWとなり全国各地の温泉宿が賑わいを見せるなか、すぐそこに潜む“危険”とは何か。当時の記事を再公開する。(初出2022年3月10日、肩書き、年齢等は当時のまま)

◆◆◆

 昨年12月、静岡県警が「盗撮のカリスマ」こと斎藤果林容疑者(49)らを逮捕した。立件された事件だけでも、盗撮現場は北海道、兵庫、神奈川と広範囲にわたっている。

 取材班は斎藤容疑者と現場を共にした元グループのAと接触。「#1」で、絶対匿名を条件にAが語ったのは斎藤容疑者の“表の顔”と“裏の顔”だ。

 そしてさらに取材を進めて浮かび上がってきたのは、複数人が集まって盗撮動画を鑑賞する卑劣な「オフ会」や「依頼盗撮」の実態だった――。(全2回の2回目/前編を読む

「盗撮のカリスマ」こと斎藤果林容疑者(本人のSNSより)

盗撮したバスケ部女子の個人情報を…

 茨城県にある日本百名山の1つ、筑波山。長閑な田園風景が続くこの土地の、とある宿泊施設の一室に夜、浴衣姿で寛ぐ5人ほどの男たちが集まっていた。ノートパソコンとテレビをHDケーブルでつなぐと映し出されたのは、バスケットボール部の女子学生たちの日常風景。次に映し出されたのは、彼女たちが露天風呂に浸かる姿を捉えた盗撮動画だったという。

筑波山 ©️文藝春秋

 Aはこう証言する。

「斎藤は馴染みの盗撮仲間や購入者たちを集めて、盗撮動画を持ち寄り“オフ会”を開いていました。クリスマスや年末年始などにメンバーが集まると、少し広めの部屋を予約し、その一室で開催するのです。

 そこで流されていたのが、女子学生の動画です。某県内のとある温泉施設に、毎年春になるとバスケ部が合宿に来るのですが、斎藤はその入浴動画を撮影していました。更に女子学生個人のSNSを調べて日常の写真を入手する者もいれば、わざわざ練習風景や学園祭の様子を盗撮しにいく者もいます」

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