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「偏差値70→40の順番で連絡」採用通知をする電話オペレーターが感じた"学歴社会のリアル"

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コールセンターの業務には「学生に内定を伝える」という仕事もある。元オペレーターの吉川徹さんは「私の勤務先では『大学の偏差値が高い順にかける』というきまりがあった。中には、相手の学歴によって態度を変える同僚もいた」という。実録ルポ『コールセンターもしもし日記』(三五館シンシャ)より紹介しよう――。(第3回)

写真=iStock.com/AndreyPopov ※写真はイメージです - 写真=iStock.com/AndreyPopov

採用通知の電話オペレーター、軽い気持ちで応募すると…

ネットの求人サイトで10日間の仕事を見つける。時給1300円で9時半から17時まで。1日働いて8450円。10日間で8万4500円もらえる。

時給は決めている額より下がるが、場所が近いので交通費がたいしてかからない。長期の仕事が見つからない今やるにはちょうどいい。応募するとすぐに採用された。

勤務先は駅から10分ほど歩いた住宅地にあった。アウトソーシングでコールセンター業務を請け負っているところで、仕事は外資系証券会社の就職試験を受けた大学生に、内定の連絡をすることだった。採用されたのは私と女性の2人だけのようだ。

腰かけて待っていると、ミーティングを終えたらしいおばさんたち数人が現れ、近くの席に座る。彼女たちも同じく内定の連絡をするらしい。愛想のなさに嫌な予感がした。

「上から順番に電話していってください」

研修はないらしい。コールセンターの社員でもあるSVの男性が渡してくれたリストには、面接日らしい日付、名前、電話番号、学校名が横一列に記されている。学校名のところにはずらっと慶応大学と記載されている。どうやら大学でカテゴライズされているようだ。

「これがスクリプトです」もう一枚には話す内容が書かれている。マイペースでできそうだと感じた。

ヘッドセットをしてリストの番号に電話する。呼び出し音が聞こえ、そのまま留守番電話になる。スクリプトには「留守番電話の場合はメッセージを残して切る」とある。

「慶応大学の福沢さまでいらっしゃいますでしょうか。メリルガン証券と申します。あらためさせていただきます」