昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

source : 提携メディア

しかし、偏差値で胸を張れない学生にとってメリルガン証券は、勝ち目がないと思っていた難関大学出身者と同じ土俵で競えるチャンス(※7)なのだ。

※7:以前、派遣会社から電話セールスの仕事を紹介された。私ともうひとりに獲得件数を競わせ、勝ったほうを契約社員として採用し、負けたほうには辞めてもらうと言われた。即座に「私にはできません」と断った。なんで見ず知らずの人と仕事を取り合わなければならないのか。勝っても負けても嫌な気持ちになるに違いない。どうやら私は競うことをチャンスと捉えられない性格らしい。

大手企業には学生を大学のランクで足切りして、試験さえ受けさせないところも多い。学歴社会という言葉もいまだ健在だ。

だが、一流大学を出て一流企業に入った人間が幸せかといえば、必ずしもそうではない。一流企業は給料も待遇も恵まれ世間的なイメージもいいが、仕事は厳しい。帰宅が連日夜中ということも少なくないだろう。それを考えると、給料も待遇もそれほどでなく、世間的に知られていない会社でも、自分のペースで働ければ、そっちのほうが幸せと考えることもできる。

今回の内定連絡で、鼻で笑った学生と大喜びした学生のどちらが充実した人生を歩んでいくのか、見てみたい気にさせられた。

吉川 徹(よしかわ・とおる)
元コールセンター従業員
1967年新潟県生まれ。大学卒業後、JAの全国連合会に就職するも、過度なストレスで体調を崩し、退職。その後、派遣社員として、ドコモの携帯電話料金コールセンター、プラズマテレビのリコール受付、iDeCo(個人型確定拠出年金)の案内コールセンターなどに勤務。

この記事の写真(1枚)

ツイッターをフォローして最新記事をいち早く読もう

文春オンラインをフォロー
z