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【考察】なぜ『シン・ウルトラマン』にはカラータイマーがない?庵野秀明の“決別”と『シン・ゴジラ』続編説

2022/05/17

source : 提携メディア

genre : エンタメ, 芸能, 映画

 

『シン・ゴジラ』に続き、樋口真嗣監督・庵野秀明脚本による「好き」を実体化した映画というべき作品が、また誕生してしまった。それが5月13日から公開される『シン・ウルトラマン』だ。

しかし今回のウルトラマンには、胸元にあったカラータイマーがない。それはなぜか? ウルトラ怪獣を1000体以上知る映画ライターのバフィー吉川が理由を考察する。

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初代ウルトラマンの原型にはカラータイマーはなかった

『AERA』2022年5月16日号で表紙を飾るウルトラマン。確かにカラータイマーは見当たらない

特撮オタクの庵野秀明が、ウルトラマンをド直球の「ヒーローもの」として描くとは考えられない。少なくとも今年の3月に公開された映画『ウルトラマントリガー エピソード Z』とは、同じ系統ではない。これは従来のファンではない一般層をウルトラマンのマニアックな世界に巻き込もうとする、つまり庵野のテリトリーに引きずり込もうとしているのではないだろうか。

かつて『ウルトラマン』(1966年)のリメイク作品として公開された、『ULTRAMAN』(2004年)もカラータイマーは付いていなかったが、エナジーコアというそれに代わるものがあった。

ウルトラセブンのように胸の位置に付いていないパターンも一部あったり、ウルトラの母やウルトラマンキングのように「らしいもの」は付いていたり、実は違うパターンなどという変化球はあったものの、ここまで明確にカラータイマーが付いていないデザインは初めてではないだろうか。

なぜカラータイマーがないかに言及するには、そもそもオリジナル版のウルトラマンに、なぜカラータイマーが付いているのかについて触れなくてはならない。

『ウルトラマン』の前作に位置づけられる『ウルトラQ』(1966年)は『アウター・リミッツ』や『トワイライト・ゾーン』などが原型としてあるため、基本的には、人間が怪奇現象に挑むというスタイルの作品であった。そこから派生した作品ということもあり、当初の企画『科学特捜隊ベムラー』ではヒーローというより鳥の怪獣のような姿をしている。