最近、研修で教わったり、上司から一度聞いたはずのことなのに、「聞いていない」「やっていない」でやり過ごそうとする新人や部下が増加しているそうです。
もちろん本当に「研修でやっていない」「その講義は聞いていない」「その件は聞いていない」ならいいのですが、問題は、すでに教わったこと、研修でやったことを「まだ、聞いていない」で済まそうとする人です。
ごまかすに近いニュアンスでしょうか。
例えば「コンプライアンスの研修でやったように……」と、すでにやったことを例に出して話しても、
「やってません」
「聞いていません」
と反応してしまう人。自分には関係ないことだと思って聞き流しているのか、最初から聞き逃しているのか。
昭和上司なら「いつまで学生気分でいるんだ!」と叱るケース
上司は、そもそも「聞いていない」で済ませるのではなく、自分から情報を取りに行くことを期待しているのです。
この場面、昭和、平成前期の厳しい上司や先輩だったら「いつまで学生気分でいるんだ!」と、こっぴどく叱るケースです。何かを叩きつけられることさえありました。
断っておきますが、叱る上司や先輩の方がはるかにましで、かつてはこうしたことをきっかけに「勝手にしろ」と、育成放棄に近い状況を引き起こす先輩社員もいました。
そういう意味では、かつての「2回目までは教えるけど、3回目からはカネ取るからな」という冗談も、愛情があってこそだったと言えます。
さて、こうした部下に対する対応ですが、それがすでに指導したことや研修でやっているということが確かで、それをごまかそうとして安易に「聞いていない」で済まそうとしているなら、叱っていい場面になります。
「怒る」対象は人、「叱る」対象はこと
パワハラを心配するあまり甘くなり過ぎたり、真剣に向き合わない上司や先輩が増えている昨今です。
しかし厳密には「怒る」ことはパワハラになっても、「叱る」ことは、よほど執拗に繰り返さない限りはパワハラになりません。もちろん、正確には各社のガイドラインによりますが、セクハラと違ってパワハラにはグレーゾーンも存在します。