「『困窮しているなら、さんまさんに借りればいいじゃないですか。事情を説明すれば分かってもらえますって』と高橋に言ったんです。でも、『さんまは金を貸さへん。芸人同士での金の貸し借りはタブーなんや』といい、口を濁していました。2人の間に何か連絡を取りづらい事情があるのかと、それ以上は突っ込めませんでした」(Aさん)
愛知県警は5月19日、明石家さんまの元相方である高橋平明容疑者(72)を詐欺容疑で逮捕した。高橋容疑者は2020年、実際には開催しないイベントの“準備金”という名目で、知人のAさんから200万円を騙し取った疑いがもたれている。(全3回の2回目/#1、#3を読む)
「さんまが駆け出しの頃に食わしてやった」と自慢話を重ねて
Aさん本人が語る。
「返済といっても、実際にはその場で現金を見せるだけ。『別の仕事が入ったから、その金に上乗せして●万円貸してくれ』とその場で言われ、更に金を貸し、雪だるま式に借金が膨らみました。『ほんま後悔させまへん。Aさんだけが頼りです』とその場で泣き出すこともありました。落語でも自在に泣くことができましたし、素ぶりが自然なんです。
『過去にマスコミで書かれるようなトラブルがあった』と金を貸す前から聞いていましたが、高橋は『全部濡れ衣や。裁判で全部決着はついた』と言っていた。実際に出会った頃は逮捕から時間が経ち、有名人を招いてのディナーショーもやっていたので、完全に復活したものと思っていました」
存在しないイベント話を持ち掛け、人情話で騙し取る――。そんな犯行が可能だった理由には“さんまの兄弟子”という過去の栄光がやはり大きかったようだ。
「『さんまさんが駆け出しの頃に食わしてやったのは自分』『形態模写を教えたのも自分』『やしきたかじんさんと引き合わせたのも自分』と、いつも高橋は自慢話には事欠きませんでした。自分の方がさんまさんより上だ、と思っているようでしたね。
『2020年末にさんまを呼んで最後の引退落語ショーをやる』と豪語し、『その時はAさんには最高の席を用意しまっせ』と言っていました。『母が生まれ育った岐阜でやりたい』と人情話を挟むのも忘れませんでしたね。『さんまさんなんて超人気者なんだから、早くスケジュールを決めないとまずいんじゃないですか』と言いましたが、『最後ぐらい来てくれるわ』と自信を持って話していました。