1ページ目から読む
2/3ページ目

村上ショージ、笑福亭鶴瓶…芸能界のビッグネームを利用

 高橋が最後にさんまさんに会ったのは、共通の師匠である笑福亭松之助さんの葬式だと言っていましたよ。自分は受付をやっていて『さんまは私服で遅れてきて、すぐに帰っていった』と話していました。後にそれはさんまさん自身がテレビで話していたことだと分かりましたが、今でも繋がりが途絶えていないという雰囲気を出していました。結局、さんまさんは葬式で高橋に会っていないと逮捕後に言っていましたし、“引退落語ショー”も実際には開かれることはありませんでしたが…。

 他にも村上ショージさんの名前などはしょっちゅう挙げていましたね。高橋と金の貸し借りをする場でも頻繁に電話がかかってきて、会話の内容を聞かれないように喫茶店の外へ出ていく。『●●と今話しとったわ』と有名人の名前をいつも挙げて自慢し、『忙しくてフラフラですわ』と言っていました。

村上ショージ 吉本興業公式HPより

 でも今思えば、私と同じような人からの借金返済の催促だったのだと思います。逮捕後の報道では、村上さんも知らなかったようですしね…。笑福亭鶴瓶さんに『兄さん、そろそろ落語会の役員になってくれまへんか』と頼まれているという話もしていました」(同前)

ADVERTISEMENT

笑福亭鶴瓶 公式HPより

タレントだけでなく、政財界にも顔がきく

 更に高橋容疑者の信用を支えていたのは、政財界との“パイプ”だったという。

「さんまさんの兄弟子であるほかにも、タレントも呼べるし、政財界に顔もきく。口だけじゃなくて、実際に10年ぐらい前まではそんな人たちを集めたパーティーで司会をする姿をこの目で見ていたので、完全に騙されました。高橋は日頃から、政治家の故・野中広務さんに可愛がられ、京セラやワコール、島津製作所など京都の東証プライム上場企業のお偉いさんたちともパイプがあると自慢していました。

 私が詐欺にあった架空のイベントは、例えば国会議員だった伊吹文明さんのパーティーや、京都の一流企業の社員慰労会などです。2020年に加藤浩次さんが『スッキリ』をインフルエンザで休んだ時には、すぐに高橋から電話がかかってきて、『京都のロータリークラブのパーティーに加藤を呼ぶ予定やったが、インフルエンザでパーやわ。代わりに(西川)きよしを呼ぶから200万貸してくれへんか。ギャラを持ってすぐに(妻の西川)ヘレンのところに行かねばならんのや』と言っていました。そういうニュースを見た時の“機転”はきいていたのでしょう。

 普通のディナーショーならネットで調べれば本当に開催しているかどうかわかりますが、企業の慰労会や財界のパーティーとなるとわかりません。騙されたと気づいた後、伊吹文明さんの事務所や、口にしていた京都の企業、ロータリークラブなどに問い合わせましたが、みんな口を揃えて、『その人(高橋容疑者)は誰ですか? 名前を聞いたこともありません』と返されました」(同前)