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中3で母親に整形させられ、高校時代は摂食障害に…“毒親”に育てられた漫画家の壮絶な親子関係「母との思い出で特にトラウマなのは…」

グラハム子さんインタビュー #1

2022/06/18
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 漫画家・イラストレーターとして活動しているグラハム子さん。家族のほのぼのとした日常を描いたコミックエッセイがSNSで話題となり、Instagramのフォロワー数は10万人(2022年5月現在)を超える。

 そんな彼女が2022年2月、実体験をもとにした衝撃的な内容の漫画を出版した。タイトルは『親に整形させられた私が母になる』(KADOKAWA)。

 母ひとり子ひとりの環境で育ったグラハム子さんは、幼い頃から母親に“価値観”を押し付けられてきたという。いわゆる“毒親”だった母親に対して、彼女はどんな思いを抱きながら過ごしていたのだろうか――。(全2回の1回目/2回目に続く)

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※なお、グラハム子さんが母親の意向で行った二重まぶた埋没法は数年で取れて、現在は整形をしていません。

グラハム子さん ©深野未季/文藝春秋

◆◆◆

整形させられた母との“いびつな関係”

――『親に整形させられた私が母になる』には、お母さまとグラハム子さんの衝撃的なエピソードが多数収録されています。

グラハム子さん(以下、グラハム子) タイトルから「えっ?」って思いますよね。幼いときから「可愛くないと不幸になるから、大きくなったら整形しましょうね」と母に言われ続けてきました。そして実際に、高校入学前に美容外科に連れて行かれました。

 整形自体が悪いことだとは思わないのですが、本来は“自分の意思”でするものなのに、私の場合は親に押し付けられてしまって……。

 あとは、周りより勉強や運動ができないと「恥ずかしくて外を歩けない」と言われたし、ストレスで摂食障害になったときは「人様に知られたらどうするの」と病院に行くことすら許してもらえませんでした。

©深野未季/文藝春秋

――そういった内容は、思い出すことさえ辛かったのでは。

グラハム子 少し前までは思い出してモヤモヤすることも多かったのですが、今は母とのエピソードを過去のものとして割り切っていますね。

 母への気持ちを解消するために、大人になってから人格形成や愛着障害に関する本を読み漁った時期があって。知識として吸収していくことで、私と母の“いびつな関係”を自分の中で一旦消化できたんです。