文春オンライン

DaiGo氏から「この人も、乱交が好きかも」と言われて…ネット上のセクハラや侮辱はなぜなくならないか

2022/06/17
note

 6月13日の参院本会議で、侮辱罪の法定刑の上限を引き上げ、懲役刑を導入する改正刑法が可決、成立した。現在は拘留と科料しかない侮辱罪の法定刑に、1年以下の懲役と禁錮、30万円以下の罰金が追加され、今夏にも施行される予定だという。

 残念なことに、インターネット上での誹謗中傷が原因となって追い詰められた結果、自死を選んでしまう人も少なくない。テレビ番組に出演していた若い女性が、いじめられていた中学生が、著名人たちがSNSでの誹謗中傷や攻撃に悩まされていたというニュースは、多くの人にとって覚えがあるだろうと思う。今回の侮辱罪の厳罰化は、こうした深刻化するネット上での誹謗中傷に歯止めをかける狙いがある。

 日本ではかつて匿名掲示板上でのデマや誹謗中傷にあたる書き込みが問題になっていたが、その後、TwitterなどSNSの登場によって、著名人を含む特定個人への直接的な攻撃が可能になり、見たくなくとも不特定多数からの誹謗中傷に晒されてしまう環境が醸成されてきた。

ADVERTISEMENT

※写真はイメージ ©iStock.com

画期的なプラットフォームとなった音声配信SNSも登場したが

 もちろんSNSとは本来、人々の交流を促すための便利なプラットフォームであり、海外にいる人であっても気軽にコミュニケーションが取れたり、加速する孤独化への抑止が図れたりするなど、SNSがもたらした功績は非常に大きい。

 例えば近年でも、新型コロナウイルス感染症が拡大するなか、音声配信SNSの『Clubhouse』は時代のニーズにピタリとはまり、またたく間に世界中で知名度を上げ、ユーザーが激増した。『Clubhouse』は招待制のサービスであり、繋がりのあるユーザー同士がスピーカーとしてラジオ感覚で話をしたり、その会話をリスナーとして聞くことができたり、ホストが承認をすれば、リスナーがスピーカーとして会話に参加することもできる。

 いつでもどこでも気軽に誰かと会話ができるこのサービスは、外出自粛で孤独を感じる人々からの需要が高まり、その後Twitterでも新しく『Clubhouse』に似た『スペース機能』が実装された。

 ところが『Clubhouse』でもTwitterの『スペース機能』でも、ある空間に無秩序に人が集まるのだから当然とも言うべきだが、対人トラブルが発生することもしばしばある。