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教育実習生の先生の一言に発奮

 それでも、高校3年生になって、いざ進路を決めるときには相当悩みました。そこで、東京の美大を出て地元に帰ってきた教育実習生の先生に相談してみたんです。そしたら「女の子だから好きなことやっていいんじゃないの。男はそうはいかないけどさ」

 なんとそんな言葉が。女は夢破れても嫁にいけば済むからいいよね、と言われたようでした。猛烈に腹が立って、帰り道、火を吹くように自転車を飛ばして帰りました。でも、あの一言のおかげで絶対にマンガ家になるぞと思うことができたんです。今思うと、「男はそうはいかない」という所が問題なんじゃないかと思うんですが……。

 東京に出てからはデザイン学校に通い、あちこちのマンガ家さんのアシスタントをしながら2年ほどでデビューできました。続けることが難しいよと編集さん方によく言われましたが、どうにかこうにかここまではやってこれて、来年でデビュー40周年です。

「ミステリと言う勿れ」(フジテレビより)

 マンガには、読むひとそれぞれの楽しみ方がありますから一概には言えませんが、最大の魅力はしいて言うなら世界、社会をまるごと体験できることではないかなと。

 ひとつのマンガのなかに、様々な社会問題や戦争、恋愛も友情も家族愛もみんな入ってる。大きさや形は変えてても実は入ってるんです。特に少女マンガは人間の内面を掘り下げていく物語が多いです。わたし自身、昔読んだ作品がまるで『自省録』のように自分に深く刺さったことが何度もあります。たったひとつの画や言葉だけで、その世界に没入し泣いたり笑ったりできる。そこにいることができる。自分の時間で。音すら聞こえてきそう。それって他のものでは得難いのではないかと思います。

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