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「お金を使う場所がない」「魚と卵で物々交換する」人口166人、都心から360キロ離れた“絶海の孤島・青ヶ島”のリアル

青ヶ島ちゃんねる・佐々木加絵さんインタビュー #1

2022/06/26

 東京都心から約360kmも離れた離島、青ヶ島。そのアクセスの難しさから、人々はこの島を“絶海の孤島”と呼ぶ。八丈島を経由してヘリコプターか連絡船を利用しないとたどり着けず、それぞれ1日1便しか出ていない。ヘリコプターの席数は9席のみで予約が困難、連絡船の就航率は5割程度とも言われている。

 さらに、日本一人口の少ない村としても有名だ。2022年6月1日時点の人口は166人。

 そんな青ヶ島に住みながらYouTubeチャンネル「青ヶ島ちゃんねる」を運営しているのが、青ヶ島生まれ・青ヶ島育ちの佐々木加絵さん(38)。彼女は“絶海の孤島”青ヶ島でいったいどんな日常を送っているのだろうか?(全3回の1回目/2回目に続く)

“絶海の孤島”青ヶ島

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佐々木加絵さんが過ごす青ヶ島での日常

――加絵さんは20年ほど東京本土で過ごし、2019年に青ヶ島にUターンされたそうですね。現在はどのような生活を送っているのでしょうか。

佐々木加絵さん(以下、佐々木) グラフィックデザイナーをしながら、母が経営している民宿の手伝いや観光ガイドをしています。島民は、私のように複数の仕事を掛け持ちしている人が多いです。漁業と建設業を兼業している人や、牛を飼いながら焼酎を作っている人なども居ます。

YouTubeチャンネル「青ヶ島ちゃんねる」を運営する佐々木加絵さん

――2021年から本格的に「青ヶ島ちゃんねる」を始めたきっかけは?

佐々木 以前から青ヶ島の魅力を動画で発信したいと考えていたんです。ただ、つい最近まで島のネット回線はADSLだったんですよ。スマホを使ったり、動画を観たりする分には問題なかったんですけど、動画を制作してYouTubeにあげる作業は重くてはかどらなくて。10分の動画をあげるのに、1時間もかかっていました(笑)。

 でも2020年3月に光回線が開通したのを機に「本格的にやってみようかな」と思って始めました。

――ADSLから光回線に変えると、劇的に速くなりますよね。

佐々木 すごい速くなりました! おそらく、内地(編注:東京本土のこと)よりも快適に使えるんじゃないかな。青ヶ島の人口は160人程度と少ないので、回線が混雑することがないんですよ。観光に来る方も、ネット環境の良さにはびっくりされますね。