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おっぱいボヨーンの3Dカード、性の解放感がある海女人形、日本各地のゆるキャラ…収集癖を極めたみうらじゅんの“遺品コレクション”

『マイ遺品セレクション』より #1

2022/07/06

source : 文春文庫

genre : エンタメ, 娯楽, ライフスタイル

 作家、イラストレーターなどとして活躍中のみうらじゅん氏。同氏の二大癖である「収集癖」と「発表癖」は、物心ついた時から始まり、還暦を過ぎた現在まで続いている。自宅や事務所、倉庫内は収集品の数々で膨れ上がっているという。

 ここでは、みうら氏が収集品の数々を「マイ遺品」と名付けて一挙に大公開した著書『マイ遺品セレクション』(文春文庫)から一部を抜粋。同氏が収集する海女人形、ゆるキャラ、3Dカード、尿瓶(シビン)について紹介する。(全2回の1回目/2回目に続く

◆◆◆

①海女人形

 

「あの人、またやってる」と言われることが趣味であり、「まだやってんのォー」と呆れられることが癖。

 世間的にはそんな微妙な差、どーでもいいことであろうが、“また”にとっての濁点有り無しはかなり意味合いが違ってくる。

 趣味は好きが高じて発生するものだが、好きゆえに途中から中だるみ、遂には飽きてしまうことが多々ある。

 それに比べ、癖(この場合、あえて音読みで“へき”)は、飽きることすら飽きてしまった状態。気が付けばやっていたとか、買っていたということになる。

 僕は小学生低学年の頃、趣味というやつを知った。怪獣である。当然、映画も見たいしグッズも欲しい。しかし、そこは家庭の経済事情ってものがある。ましてや本物の怪獣の着ぐるみが手に入るわけもなく、そうこうしているうちに趣味は何故か仏像に移行していた。

 何度か飽きを経験し、気が付けば大人に成っていた。歳相応のモノや流行りモノが欲しかったわけではない。何故かまわりでは決して欲しがらないモノの方に興味がいったのだ。

 その1つに『海女』がある。初めてその存在を意識したのは高校生の時。新東宝や日活のお色気映画を見て、その明け透けな性の解放感に戸惑った。ハッキリ言って苦手なジャンルだった海女の記憶が、どうしたことか30歳を過ぎてもまだ宿便のように脳裏にへばり付いていて、“どう? もうそろそろいけるんじゃないの?”と囁いてきた。

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