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企業側だって、「社会人の基礎の基礎が無理なんです」なんて人間を雇いたいとは思わないでしょう。

発端は幼少期に行かされた学習塾

振りかえれば僕は、幼稚園から大学までまともに通えていた時代がありません。

高校3年生のときなど朝のホームルームから帰りのホームルームまでいた日数は6日でしたし、大学も卒業までに7年を要しました。

これまで30種類くらいのアルバイトを転々としてきましたが、どれも長つづきしませんでした。ステーキハウスに居酒屋、ファストフード店の飲食業で働いていた時期もあれば、交通量調査員としてカチカチカウンターを押していた日もあります。早朝に銭湯浴場を清掃したあと、建設現場で鉄筋に付着したコンクリートをかたっぱしから破壊していた夏もあります。

東北地方まで木の高さを測りに行き、「この作業のどこにお金が発生しているのか」疑問に思いながら獣道を長靴で歩いたこともありました。

内容はどれも面白かったのですが、結局同じところに同じ時間に行くことに耐えられなかったがためにやめてしまったのでした。

「同じ場所に同じ時間に行く」という、みんながあたりまえにできることがなぜ僕にはできないのでしょうか。

いまさら幼いころの教育環境に原因を追及するつもりもありませんが、同じ場所に同じ時間に行かされることをはじめとする「あたりまえ」に拒否反応を示しはじめたのは、幼少期の学習塾が発端でした。

いわゆる教育ママの元に育った僕は、2歳のころから公文式に通わせてもらっていました。

絵を描くことが好きな子どもだったこともあり鉛筆や紙にはなじんでいたはずなのですが、入塾前に渡されたペーパーテストに、

問 点Aから点Bまで線を引っ張れ

という指令が書かれていたことに、ものすごく窮屈な気持ちになってしまったのです。ものごころつくのが早かったからか、なにかその紙に「義務感めいたもの」を感じたうえに

「この線を引っ張ってしまったらこれから先、厄介な紙がたくさんやってくる」と直観的に感じとってしまいました。

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