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「僕サラリーマンむりだわ!」と4歳で悟る

その場で泣きだした記憶こそありますが、なんせ2歳でしたので「お母さん、息子の意志を尊重してくれ。むしろペーパーテストを疑問視するこの姿勢に賭けてみよう」などと切りかえすこともできず、結局僕は公文式に通うことになりました。

ここでも勉強する内容自体を嫌いになることはなく、ほめられることがうれしくて算数も国語も漢字の書きとりもどんどんすすんでいきました。

転機は4歳のときでした。学習塾からの帰り道、「僕サラリーマンむりだわ!」と突如天啓のようなものが降ってきたのです。

マセていた僕は、大人は月から金の間、同じ時間に同じところに通う生活を送っていることを知っていました。そして決められた毎日がつづくであろうこれからの将来に対してえもいわれぬ不安が襲ってきたのです。

月曜と水曜に必ず学習塾に行かされていることと、2歳のころの直感的な「義務感めいたもの」が同じ違和感として重なったのだとも思います。

皆がお遊戯をしているのをのぞき見る不気味な幼稚園児だった

これから増えていく「義務」からどう逃げるかで頭がいっぱいになり、自分の意思に反する「やらなくてはいけないこと」にこのときから抵抗していくことになりました。

幼稚園はバスが迎えにくるため登園から逃れることはできませんでしたが、お遊戯に参加した記憶はありません。

「一挙手一投足、指示通りに動かなくてはいけない」こと、それを「疑問なく受け入れる」周りに異様な不気味さをおぼえ、裏山に逃げかくれお遊戯がすすめられていく教室をのぞき見る不気味な園児でしたが、小中高と学校生活自体にはなにも不満を感じていませんでした。

たくさんの習いごとをさせられていた僕は、習いごとの数だけ「つづける/逃げる」の判断を行う訓練もくりかえしていました。

毎週長時間の活動をするボーイスカウトに入団させられそうになれば、「この服を着たくない」とはねかえし、英語教室に通わされれば「あそこにはお化けが出るから行きたくない」など、嫌な習いごとにはありとあらゆる方向から抵抗の姿勢を見せてきました。

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