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ギタリスト・Charさんの特別インタビューを掲載
いつまでも“自分らしく”生きる!

年齢を重ねれば体の不調は出てくる。それでもいくつになっても年齢を感じさせない軽やかさを持ち、知的好奇心に溢れる人たちがいる。体と上手に付き合い、健やかさを保ちながら自分らしく生きるためのヒントを探った。

【第1部 認知症編】元気なうちにやっておきたい認知症への備え方

2025年には65歳以上の5人に1人が認知症になると推計されている。認知症は特別な病気ではなく、だれもがかかりうる病気になったということだ。認知症と向き合うために、元気なうちにやっておきたい備えを考える。

“認知症予備軍”の段階で適切な取り組みを

 認知症はある日突然発症・悪化するわけではない。例えばアルツハイマー型認知症であれば、最初は物忘れから始まり、時間をかけてゆっくりと症状が進行していく。

 ほかの病気と同じように、認知症も予防や早期発見・早期治療が重要となる。認知症は一度発症すると根本的な治療方法はないが、早期発見によって症状の進行を遅らせたり、発症を食い止められる可能性もある。認知症の前段階として「軽度認知障害(MCI)」という状態がある。これは正常と認知症の中間の状態で、何もしなければ認知症に移行する可能性が高い認知症予備軍だ。

©iStock.com
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 しかし生活習慣の改善や認知トレーニングといった取り組み次第で正常なレベルに回復することもできる。適切な支援や治療を受ければ、認知症と付き合い、自分らしく生きていける時代に変わりつつあるのだ。身近な人の物忘れが増えたり、身なりに気を使わなくなったりという異変を感じたら、早めに専門家や医療機関に相談するように心がけたい。

財産に関する対策は元気なうちに進める

 認知症が進行し意思能力が低下すると、さまざまな手続きや契約が難しくなる。元気なうちに財産に関する情報を整理し、希望する介護や医療の受け方、お金の管理方法などを決めておくといいだろう。特に胃ろうや人工呼吸器など延命医療は、家族であっても決断しにくい。本人による意思表示が助けになる。

 また認知症が進行すると財産の処分に制約が生じる。例えば家族が本人に代わって銀行で自由にお金を下ろしたり、所有している土地を勝手に売却することはできない。成年後見制度を使えば後見人による財産管理が可能になるが、さまざまな制限がある。ある程度柔軟に対応したいなら、あらかじめ家族信託を契約するなど手を打っておくことが望ましい。

©iStock.com
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 遺言書の作成も元気なうちに済ませたほうがいいだろう。遺言書作成時点で意思能力がないとみなされると、遺言が無効になるおそれがある。遺言を使えばどの財産を誰が受け取るのかといった受け継ぎ方を指定したり、財産の一部をNPOや公益法人に寄付する「遺贈寄付」も可能だ。

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