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【第2部 補聴器編】Special Interview
50年弾き続けても発見がある音楽が記憶を、思いを呼び覚ます

日本を代表するギタリストの1人として、世界的にも高い評価を獲得しているCharさん(67歳)。デビュー45周年を迎えた昨年9月に16年ぶりの新作『Fret to Fret』をリリースし、還暦を超えてなお第一線の表現者として走り続ける。その原動力を聞いた。

Char(チャー)
1955年東京生まれ。中学生時代からスタジオミュージシャンとして音楽活動を開始。1976年にシングル「NAVY BLUE」でソロデビュー。日本を代表するギタリストの1人として、世界的にも高い評価を獲得している。2021年に16年ぶりとなる新作『Fret to Fret』をリリース。
オフィシャルサイト:www.zicca.net
Char(チャー)
1955年東京生まれ。中学生時代からスタジオミュージシャンとして音楽活動を開始。1976年にシングル「NAVY BLUE」でソロデビュー。日本を代表するギタリストの1人として、世界的にも高い評価を獲得している。2021年に16年ぶりとなる新作『Fret to Fret』をリリース。
オフィシャルサイト:www.zicca.net

――青春時代にどんな音楽を聞いてきたんでしょうか。

Char 僕はティーンエイジャーのうちに豊潤な音楽に触れられた恵まれた世代だったと思う。1960年代に入ってからはビートルズ、ローリングストーンズなどが席巻し、国内でも個性的なバンドが次々と登場していった。小学生の頃は小遣いがないから、兄貴のLPやラジオが主な情報源だったね。

その後自分でもギターを弾き始めて、高校生の頃に初来日したレッドツェッペリンのライブで衝撃を受けた。今でもよく覚えているよ。演奏が全然レコードと違うんだ。音楽がこんなに自由であっていいんだと音楽観がひっくり返ったね。

――ギターと出会ったのはいつ頃ですか。

Char 前回の東京オリンピック(1964年)があった8歳の頃。兄貴の影響で、見よう見まねでエレキギターを弾き始めたんだ。

最初はベンチャーズ。テクニックはなくても、ギターをジャーンとかき鳴らせばそれだけで無敵になった気持ちになれた。自分の感情を手軽に表現できるから、ギターは世界中の若者の表現手段になったんじゃないかな。ギターはとても人間臭い楽器で、6本の弦をどうかき鳴らすのかで無限に表現が生まれる。

50年以上毎日ギターを弾いているけれど、今でも毎日新しい発見があるよ。技術が進歩してあらゆる音をサンプリングできるようになり、AIが楽曲を作ることも可能になったけれど、ギターの音色だけはまだ再現できない。人間が楽器を弾くしかないんだよ。

――音楽をめぐる環境はどう変わったと思いますか。

Char 音楽のデータ配信によって、パッケージ化せずとも音楽が流通するようになった。これは想像もできなかった進歩だね。だれもが好きな曲を好きな場所で聞けるようになったんだ。屋上で農作業をしながら、料理をしながら、運動をしながら、いつでも音楽を聞ける。これは劇的な音楽体験の変化だと思う。

その一方で、僕自身はLPという世界観も大事にしたい。LPは集中して音楽を聞くのにちょうどいい時間なんだ。片面が20分程度。ゆっくりと水割りを飲んで、片面が終わったらおかわりを作って、今度はB面を聞く――。そんな時間の過ごし方に最適だよ。それにジャケットの手触りやアートワークもまた、実体のあるLPならではの魅力だね。

©iStock.com
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――いくつになっても音楽を楽しむためのメッセージをお願いします。

Char 70歳だからロックを聞かないなんて言う人はぶっとばすよ(笑)。

僕たちの世代は海外のロックンロールに触れて青春時代を過ごしてきた。今でも当時の曲を聞けば、その曲が流れていた風景や一緒にいた人の表情、その時の会話までありありと蘇ってくる。音楽は時間や空間を超えて、脳に直接働きかける力がある。思いを、記憶を呼び覚ましてくれるんだよ。やっぱり音楽を聞くのは人類の根源的な本能であり、欲求なんだよね。リズムに合わせて体を揺らし、メロディーを口ずさむ……そこに年齢なんて関係ないよ。

そして、音楽は言葉のないコミュニケーションツールにもなる。ライブ中に、熟練したバンドメンバーであれば言葉や合図なしでも意思疎通できる。音楽で会話しているんだ。その熱量はオーディエンスにも伝わる。だからライブは特別なんだ。いくつになっても多くの人が音楽を自分らしく楽しんでほしいと願っているよ。

【Pick Up!】補聴器で音楽や会話を楽しむ

年齢を重ね聞こえづらさから日常生活に不便が生じてきたら、補聴器の活用を検討したい。最新のデジタル補聴器は耳につけても目立たず、複数人との会話や、にぎやかな場所でも会話を聞き取りやすくするための機能が搭載されている。また最近の補聴器は「音楽モード」「音楽プログラム」といった設定があるものが多く、演奏本来の臨場感や強弱を再現するように工夫されている。ただし補聴器を適切に使ううえでは、一人ひとりの聴力に合わせたフィッティングが不可欠となる。聞こえの悩みを感じ始めたら、耳鼻咽喉科か補聴器販売店に相談を。

1955年6月16日東京生まれ。本名・竹中尚人 (たけなか ひさと)。ZICCA REDORDS 主宰。8歳でギターをはじめ、10代からバックギタリストのキャリアを重ねる。1976年『Navy Blue』でデビュー以降、『Smoky』『気絶するほど悩ましい』『闘牛士』等を発表。Johnny, Louis & Char 結成翌年、1979年に日比谷大野外音楽堂にてフリーコンサート「Free Spirit」を行う。2018年、Fender Custom Shop にて日本人初のプロファイルドモデルを発表、オリジナル楽器ブランドZICCA AX にて、様々なオリジナル楽器アイテムを展開中。2020年、ギターマガジン誌投票「ニッポンの偉大なギター名盤」にて、1stアルバム「Char」が一位に選ばれる。2021年12月にはデビュー45周年武道館公演を開催。2022年4月、同公演の映像作品を発売。
2022年9月25日に「Char×カルメン・マキ&OZ」Charとカルメン・マキ&OZの対バン・ライヴが決定、東京・昭和女子大学人見記念講堂で開催され、同会場に2022年11月18日(金)と19日(土)の2日間、デビュー45周年企画 Char トリビュートライブを開催されます。
オフィシャルサイト:www.zicca.net

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