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老害になっていく俺たちへ──サブカルリベラルおじさんの限界

2022/07/14

source : 提携メディア

genre : ニュース, 社会

 

映画、音楽、お笑い、マンガなど、生活を豊かに彩るさまざまなポップカルチャー。

時代の移り変わりと共に、これまで見過ごされてきてしまっていたようなことが次第に問題として提起されるようになってきている。それぞれのシーンを構成するオーディエンスの一員として、誇りを持っているためにできることとは。

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愉快な趣味人おじさんであるために

3歳の友達ができた。現状割り当てられた性でいうなら男の子だ。彼と接するのが怖い。自分が子供のころ、手本にできる大人の男性がいなかったから。彼にとっての自分も同じことなんだろう──そういう思いがどこかにある。

今自分が仕事で扱っているポップミュージック、お笑い、マンガ、映画といったポップカルチャーには、思春期の退屈から救い出してもらった大恩がある。3歳の彼をはじめとした年齢ひと桁台の友達たちにとっての自分は、そういうカルチャーの紹介者でありたい。趣味人で愉快な“ジョーイおじさん”でいることに矜持を持ちたい。

親友の亡き妻に代わって、親友の義弟と共に子育てに取り組む「ジョーイおじさん」が登場するドラマ『フルハウス』

ところが、自分が子供のころ音楽誌や映画誌、ファッション誌、ラジオなどで認知したサブカル界のおじさんたちには概して明確な苦手意識がある(そもそも「サブカル」って最近言わなくなったな……としみじみ思うのだけれど)。というか、はっきりとそれらを反面教師として、そういう苦手な要素のないカルチャー系のライターになりたい、というのが思春期の自分の夢だった。当時の自分の言葉で言えば、「女の人をバカにしてない感じのサブカルおじさんになりたい」。

テレビでは見せない強烈なミソジニーを深夜帯の独壇場でここぞとばかりに発露するラジオパーソナリティ。
自ら業界をシュリンクさせるような、スノッブで排他的な姿勢をひけらかすファッション界の重鎮。
批評のはずが“この音楽を聴いている自分”についての自己陶酔的な散文詩を綴る音楽ライター。
“女子供にはわからない映画”などと宣い仲間内で盛り上がる映画ライター。
日本のアイドル文化のトキシックな側面に責任を負わず無反省に消費する芸能ライター。

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