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 トー横キッズの多くは、家庭に問題を抱え逃げるように新宿へ集まってきた子供たちだという。しかしキッズたちは広場に集まっていただけではない。生活費や遊ぶお金を稼ぐために売春に手を出す人も後を絶たなかった。歌舞伎町卍會の関係者が話す。

キッズたちが売春していたというネットカフェの2人部屋 ©文藝春秋

「広場にいる大人に声をかけたりツイッターで客を募ったりして、東新宿のビジネスホテルで売春を繰り返すキッズも多いのです。相場は1回2~3万円。スーツ姿のサラリーマンと一緒にどこかへ消える女の子の姿をよく見かけました。東新宿駅の近くのビジネスホテルはコロナ禍で価格も下がり、1泊5000円以下。そこを誰かが予約し、複数人で鍵を共有して売春のために部屋を使いまわすこともありました。

 最近ではさらに安く使えるネットカフェをホテル代わりに使用するキッズも増えていた。部屋は2人で並んで寝転ぶのもやっとの狭さですが、鍵付きで1時間600円、夜通し12時間利用しても2500円。自分で部屋を借りてツイッターで客を募り、同じネットカフェにいる客の部屋に移動してセックスする。それを一晩繰り返すのです。トー横から一番近いネットカフェはつい1カ月前までは身分証の提示も求められずに利用できて、キッズたちにとって使い勝手が良かったようです」

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「トー横にいる女の子はかなりの割合で“買える”ので…」

 一斉補導によって居場所を失ったキッズたちの中には、身分証の確認がゆるい池袋のネットカフェに移動したり、中には“立ちんぼ”に鞍替えしたりする子まで現れはじめたという。トー横でキッズを“買った”ことがあるという男性が、匿名を条件にトー横周辺の売春事情を教えてくれた。

手をつないで夜の歌舞伎町に消える、50代くらいの男性と20代くらいの女性 ©文藝春秋

「トー横にいる女の子は“買える”子もいて、気に入った子を探して声をかければすぐに価格交渉が始まります。相場は2万前後で、パパ活の半額以下ととにかく安い。『1万で10代に中出しできた』なんて自慢しているツイッターも見たことがありますし、まさに“援交バブル”状態ですよ。

 補導が厳しくなってからは近くの大久保公園で客引きをする女の子も増えていました。大久保公園は外国人の“立ちんぼ”で有名でしたが、最近はキャバ嬢やコンセプトカフェ店員など日本人の10~20代ぐらいの若い娘がいつも4~5人くらいはいました。そこでトー横キッズを見かけることもありました。僕が寄った時も、自分から『私、トー横キッズです!』と自己紹介してきた子がいて、ある種のブランドになっているようでした(笑)」(男性客)

 取材班が大久保公園を訪れた日も、金髪の若者からスーツを着たサラリーマンまで様々な年齢層の男性が女性に声をかける姿が確認できた。しばらく話していたと思ったら、交渉がまとまったのか手を繋いですぐ近くの1泊5500円のラブホテルへと消えていった。

大久保公園で合意しホテルに向かう男女 ©文藝春秋

「70代ぐらいのおじいさんと10代女性、なんて組み合わせも珍しくないですよ。孫ほどの年齢の女の子の前でお年玉をあげるように財布を開き、『ホテル代が足りない』なんて小声で交渉している姿も見かけます。東南アジアで見かけたような光景が、歌舞伎町でも広がっている。ただ17日の一斉補導の時も警察官が大久保公園を巡回していたようですし、その後も職質が多い。この“バブル”がいつまで続くかはわかりません」(前述の男性客)