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大麻、コカイン、ヘロイン、危険ドラッグ、MDMA すべてを経験した男が「あれだけは二度と御免」と恐怖するクスリは…

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違法薬物のなかで最も禁断症状が激しいクスリはどれか。元厚生労働省麻薬取締部部長の瀬戸晴海さんは「さまざまな薬物を経験し、慢性中毒に陥って命を落とした薬物乱用者がいる。彼は、ヘロインは効果が切れた後の苦しみが激しく、『二度と御免だ』と語っていた」という。瀬戸さんの新著『スマホで薬物を買う子どもたち』(新潮新書)より紹介する――。(2回目)

写真=iStock.com/urbazon ※写真はイメージです - 写真=iStock.com/urbazon

世界中で急速に蔓延している危険な麻薬

依存性薬物の種類と作用について説明しましょう。

捜査現場で押収される薬物は30~40種におよびますが、日本で主として乱用されているのは、覚醒剤、大麻、コカイン、MDMA、LSD、睡眠薬および指定薬物(危険ドラッグ)の一部です。

ただ、近年では「ケタミン」という麻薬の乱用も顕著になっています。ケタミンは麻酔薬の一種で、幻覚および抑制作用を有しており体外離脱感覚(意識が身体から離れ、自分の身体を空中から見ているような感覚)も生じるとされます。

粉末形態で出回っており、クラブではMDMAのようにパーティードラッグとして使われています。すでに世界的に流行していて、中華圏では「Special K(スペシャルケイ)」や「K他命(ケタミン)」などと呼ばれ、若者が使用する薬物のトップの地位を占めている。日本でも今後、急速に蔓延することが懸念されます。

ヘロインは日本では1960年頃に大流行しましたが、現在では捜査の現場でもほとんど見聞きすることがありません。危険ドラッグの一種で悲惨な事件、事故を誘発した合成カンナビノイド類も下火になってきています。1990年代後半に流行したマジックマッシュルームと呼ばれる幻覚キノコも、2002年に国が麻薬原料植物に指定してからは姿を消しました。薬物にも、時代に応じて流行り廃(すた)りがあるわけです。

覚醒剤、コカインなどは脳を刺激して強制的に興奮させる興奮系(アッパー系)。ヘロインや大麻、睡眠薬は脳を麻痺させて気分を鎮めたり眠らせたりする抑制系(ダウナー系)。LSD等の実際には存在しないものが見えたり聞こえたりする幻覚系(サイケデリック系)に分類されています。

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