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〈そのとき統一教会が接近した政治家の一人が安倍だった〉

 一方、新世事件からまもなく自民党は総選挙に敗れ下野する。民主党に敗れたのは麻生政権時代だが、その前に政権を投げ出した安倍氏の責任も厳しく批判された。

〈第一次政権までの安倍は統一教会と距離を置いていたと複数の議員関係者は証言していた。にもかかわらず、民主党政権で下野して以降、安倍は急速に統一教会と近づくことになった。それはなぜだったのか。

 安倍の後援会関係者は、やはり政権奪回、票のためだと見ている。

「晋太郎さんは3回目の選挙で落選していて、晋三さんはその苦労を知っている。選挙で負けたらただの人以下、だから勝たないといけないというのが晋三さんのポリシーでした。民主党政権のときに、とにかく政権を取るために統一教会を使った」〉(同前)

「統一教会は安倍にとって『雨天の友』だった」

 森氏は「統一教会は安倍にとって『雨天の友』だった」とみる。そして、この野党時代以来の関係が山上徹也容疑者の動機となった安倍氏のビデオメッセージ出演につながったとしてこう指摘している。

山上徹也容疑者 ©共同通信社

〈全国弁連(全国霊感商法対策弁護士連絡会)の代表世話人山口広は統一教会に関わることそのものが、統一教会にエールを送ることに他ならないと強く批判する。

「新世事件以降、統一教会は資金的に厳しい状態になっています。彼らは今でも伝道をやっていますが、以前のようにはできない。だから政治の力を借りようとする。今回の参院選で組織推薦候補(安倍の元秘書官井上義行のこと)を出したのもその一つ。我々はそう認識しています」

 その上でUPF(旧統一教会の関連団体)のイベントに安倍がビデオメッセージを送ったことには無念を覚えると言い添えた。

©時事通信社

「統一教会によって家庭を崩壊させられた人々にとって、その総裁(韓鶴子)に向かって元首相が『敬意を表します』と言うのは大変な衝撃です。ですから全国弁連は登壇後すぐに安倍事務所に抗議文を送りました。しかし受け取りは拒否されました」〉(同前)

「文藝春秋」9月号「安倍元首相暗殺と統一教会」では、梶栗氏が語った安倍氏ビデオメッセージ出演の経緯や、山上家を襲った悲劇の詳細、また統一教会の組織や教義の知られざる実態まで深く掘り下げ、他のメディアが報じない事件の深層に迫っている。

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