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中国でも2016年の春節に合わせて公開された「Marriage Market Takeover」が大きな話題となり、世界的な広告賞であるカンヌライオンズも受賞しています。

中国の「結婚できない売れ残り女」事情

本動画が扱うのは「剩女(シェンニュウ)」、つまり日本語にすると「売れ残り女」の物語です。非常に過激な言葉ですが、一定の年齢(動画内で語られるのは25歳!)を越えても結婚していない女性を指します。

中国では女性は早く結婚して子どもを産むべき、という考えが根強く存在します。

一方、小さい頃から海外の文化に親しみ、よりオープンな考えを持つ若い女性は、自分のキャリアやライフスタイルに重点を置く傾向が強く、親世代との大きな隔たりが生まれています。

ここまでだと、日本にもある世代間のギャップに見えるかもしれません。ですが、中国では結婚しない子どもたちに焦った親同士がお見合いをセッティングしたり、婚活をすすめる婚活マーケットが盛んで、週末の公園で「青空婚活市場」が開かれていたりもします(図版1)。

日本と中国ではその深刻さが異なるのです。

「あの動画はまさに私のこと!」

動画の中では、そのような状況の中、わかり合えない親と娘を取り上げて、最後は娘が自信に満ち溢れたポートレート写真とともに自分の思いを告げる様子が描かれます。

女性たちが自分らしい生き方を選ぶ姿勢と、自信に満ちた姿は、多くの女性の共感を獲得しました。私も、一般の消費者へのインタビューで「あの動画はまさに私のこと! すぐに自分の親にも見せた。私は今後もSK-IIを使い続けると思う」と泣きながら語る女性にお会いしたことがあります。

この動画が素晴らしいと思うのは、結婚や家族に関する伝統的な価値観と、そこで思い悩む人に目をつけた現地への理解度はさることながら、子どもと親がわかり合うシーンを示しているところです。

中国は家族を重んじる文化が非常に強く、若い世代でも「親がわかってくれなくても自分を貫く」というよりは、「自分を貫きたいけど、親にもわかってほしい」という気持ちが強くあります。だからこそ、若い世代の女性たちの悩みは深いものがあるのです。

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