旧統一教会は、Blessingと書かれたコーヒー・フレッシュ状の入れ物に入った赤い液体を多くの人に配っており、もらっただけでも祝福に与ったことになるという。
このようにして何億組という数合わせをしているのだが、筆者もその液体を持っているので数えられた可能性がある。
現在、旧統一教会員でも祝福だけでは不十分で、140万円相当の献金をして天一国と呼ばれる天国への入籍証を持たないと天国には入れないと言われている。
ちなみに、祝福にも140万円の献金を必要とする。計280万円で天国に行けるのであれば安い買い物だが、旧統一教会員になることが条件なので、かえって高くつく可能性もある。
日本人は「日帝支配の恩讐に報いるべき」
これまでの説明で、旧統一教会信徒が信奉する教えと究極の救済方法である祝福をある程度理解していただけたかと思う。
いわゆるオーソドックスなキリスト教諸派と比べれば、旧統一教会の独自性は明らかである。現代人には、教祖の選んだ人であればどんな人とでも……というような結婚は受け入れがたいものだろう。
しかし、これまでに7000人あまりの日本人女性信徒が信仰のゆえに韓国人男性と祝福を受け、多くの人々が韓国の郡部で暮らしている。そこでは日本の農村部同様、深刻な男女のミスマッチ(いわゆる嫁不足)があり、中国朝鮮族の女性と結婚する農村男性も少なくない。
韓国人男性の中には信仰が全くなくても、旧統一教会主催の合同結婚式に参加して日本人女性を伴侶としているものもいる。
信徒同士の宗教的結婚というのは1990年代半ばまでの話であり、その後、教会は韓国人の信者獲得のために日本人女性を送り込んできたと言えなくもない。
もちろん、教会が言うには、韓国人男性は霊的に高いから日本人女性信徒にとっては結婚できるだけでも幸いであり、韓国が日帝による36年間の支配から受けた恩讐(おんしゅう)に報いるには、日本人女性の献身がよりいっそう求められるし、何より彼女達は喜んで韓国に来たのであるという。