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藤浪晋太郎はこんなもんじゃない。最後の“壁”を乗り越える背番号19の“終わりなき旅”

文春野球コラム ペナントレース2022

2022/09/17
note

 まずはじめに、お伝えしたいことがある。私、“あまえび”にとってこのコラムは文春野球三度目の登板。おそらく、これが今季最後のコラムになる。

 そしてその3度のうち、今回も含めて2度までも“同じ選手”について書かせて頂いた(残り1度は私が敬愛してやまない平田勝男様のコラム)。

 決して、ネタがないわけではない。「阪神の4番」についても書きたかったし、今注目の若手選手についても書いてみたかった。

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 ――それでも、書かずにはいられない。今季最後の登板は、やはりあの選手について触れれずにはいられない……。

 イチ阪神ファンとして、私の想いを込めたので、ぜひ最後まで読んでほしい。

今年こそ、何かが違う――。10年目の藤浪晋太郎に感じたこと

 2022年8月20日、巨人戦。この日 藤浪晋太郎は433日ぶりの白星を手にした。

 記憶を遡ると代役で務めた開幕投手は運こそ味方をしてくれなかったが、素晴らしい投球をする彼の姿に、

「今年こそ、何かが違うかもしれない」

 そう思ったファンの方も少なくなかったはず。

 今年でプロ10年目。

 途中で救援に回りながらも8月。ずっとこだわり続けた先発投手として藤浪晋太郎は再びマウンドへ帰ってきた。

 巨人戦で久々に白星を手にする前も、同月13日の中日戦では敗戦投手にはなったものの、7回1失点10奪三振と好投を見せていた。

 どんな時でも先発にこだわりをみせた彼は自分の手でそのポジションを掴み取ったのだ。

 誰もが藤浪晋太郎の進化を確信した。

藤浪晋太郎

 しかし現実はそう簡単ではなかった。2つ白星を重ねた後、今度は2つ黒星が続いてしまったのだ。

 通算1000奪三振の快挙を達成した日も順調かと思われた投球が突如急変し7失点KO……。

 ……またもや、振り出しに戻るのか?

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