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「死ぬ間際の自分も、その行為に同意できる?」喫煙、食事、飲酒…不健康を放置している人がイメージすべきこと

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genre : ライフ, ヘルス, ライフスタイル

ダイエットや禁煙など、健康づくりをする際に意識すべきことは何か。聖路加国際病院循環器内科医の浅野拓さんは「人間は将来の大きな利益よりも目の前の小さな利益を取ろうとする。誘惑に負けそうなときは『不健康がたたって死ぬ間際の自分でもその行為を許すか』と自問してみるといい」という――。

※本稿は、浅野拓『健康寿命を延ばす「選択」』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。

写真=iStock.com/Fertnig ※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Fertnig

仕事ができる人でも健康への「合理的な判断」はできない

健康な人生を選ぶための考え方の一つに「合理的に選ぶ」というものがあります。

私たちは大の大人で、仕事などでは合理的に物事を選択しているはずなのに、こと生活習慣に関しては「運動はもう少し涼しくなってから」「ダイエットは明日からにして、今日は自由に食べよう」などと先延ばしにする心理が働きがちです。誰もが生活習慣病になりたくないと思っていて、健康に良いことと良くないことが頭ではわかっているはずなのに、好きなものを好きなだけ食べたり、タバコを吸い続けていたり、お酒を飲みすぎたりする人は少なくありません。

診察室で患者さんと話していても、よく不思議に思うのです。企業の社長など、バリバリ働いていて、かなりリテラシーの高い人であっても、「今はまだ大丈夫」「来るべきときがきたら、ちゃんとする」などとおっしゃって、すでに血圧や血糖値、コレステロール値といった数字が上がっていても、何も行動を変えようとしない人が結構おられます。果たしてその「まだ大丈夫」という選択は、仕事で行っているような合理的な判断に基づいたものなのか……。

こうしたことは医者にも当てはまります。むしろ医者のほうが、質(たち)が悪いかもしれません。医者の不養生とよく言うように、他の人よりもリスクをわかっているはずなのに、自分の生活習慣は顧(かえり)みない人が多いのです。

「自分だけは大丈夫」と思ってしまう理由

どうして頭ではわかっていても、いい生活習慣を選択することは難しいのでしょうか。

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